【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.53
2016-08-08-
【中国ビジネス・トレンド】 地方政府が決定した税務優遇措置の実行について
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◎【中国ビジネス・トレンド】
地方政府が決定した税務優遇措置の実行について
Q 1.地方政府が設定した税務優遇の実施に関する国務院の通知が出されたと聞きましたが、どのような内容でしょうか? A.該当の通知は、2015 年 5 月 10 日に公布された、「税収等の優遇政策に関連する事項の通知(国発[2015]25 号)」です。 税務優遇措置は、原則として国務院の批准が必要であり、地方政府が独自に設定する事はできません。但し、地方政府が設定した既存の税務優遇については、国務院の批准が無いものであっても有効期限内はその執行を行うようにと指示する内容です。 今後、地方・部門が新たに設定する優遇措置については、税収等に関わる場合は、国務院の批准を得た後に執行しなくてはなりません。
Q 2.企業に対してはどのような影響が考えられますか? A.2008 年 1 月の企業所得税法改定以降、地域を限定した優遇、外資である事を前提とした優遇措置は原則として禁止され(西部地域の開発に付いては、国発[2007]39 号で継続が認められる等の例外有り)、また、地方政府が独自に優遇税制を規定する事も禁止されました。 この結果、地方政府が既に設定していた優遇措置の履行が可能か否かについて不透明な状況が生じ、優遇措置の不履行などの懸念も有りました。 今回、上記の通知が公布された事により、既存の優遇措置に関して執行される根拠が出された事は、当該地域に進出した企業にとっては朗報といえます。
Q 3.地方の優遇措置を享受するにあたっての注意点はありますか? A.地方が決定する優遇措置の内容は、税金(企業所得税、個人所得税、流通税)等の一部還付、軽減税率適用、タックスホリデーなど様々です。 以前、外資企業に対して適用されていた所得税法(外商投資企業及び外国企業所得税法)の場合、各種の税務優遇措置の内、二免三減等のタックスホリデーについては、適用要件が経営期限を 10 年以上に設定した外資企業と決められていました。 このため、10 年未経過の状況で解散する場合、既に享受した優遇措置の返却が義務付けられます。これは、逆に言えば、企業を 10 年以上存続させれば、優遇措置の返却は不要という、明確な基準が存在していた事を意味しますが、地方の優遇措置の場合、この様な条件が明確となっていないのが通常です。 この結果、一旦、優遇措置を享受した場合、経営期限満了前に解散すると、返却を求められる事例が少なからず発生していますので、進出決定時・撤退時の採算の算定時には注意が必要となります。
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