重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.301

2026-09-15

【中国ビジネス・トレンド】

重要法令等の解説(簡易版)

1.「中華人民共和国商標法」の改正

「中華人民共和国商標法」(2026年改正)

2026年6月26日、全国人民代表大会常務委員会は、「中華人民共和国商標法」の改正案を可決しました。新改正法は、従来の全8章73条から全9章87条へと拡充され、2027年1月1日より施行されます。主な改正内容は以下のとおりです。
1)商標登録要件の統合
旧法では、商標登録に係る実体的要件について独立した章が設けられておらず、関連規定は総則や審査手続に関する条項に分散していました。新法では、第2章「商標登録要件」が新設され、「使用を目的とせず、かつ通常の生産・経営活動上の必要性を著しく超える商標登録出願」については登録を認めないことが明確化されました(第19条)。

2)登録可能な商標構成要素の拡充
旧法では、動的標章は登録可能な構成要素に含まれていいませんでした。
新法では、動的標章及び動的商標とその他の関連要素との組合せが、新たに商標登録の構成要素として追加されました(第14条)。

3)インターネット経済の発展への対応
旧法では、インターネット環境における商標の使用行為について明確な規定が設けられていませんでした。
新法では、インターネットなどの情報ネットワークを通じて行われる商標使用行為についても、本法の適用対象となることが明確に規定されました(第2条)。

4)著名商標保護制度の整備
旧法では、登録済みの著名商標に対してのみ商品・役務の区分を超えた保護が認められ、未登録の著名商標については同一又は類似の商品・役務に限って保護されていました(第13条)。新法では、「中国で登録された」との要件が削除され、未登録の著名商標についても区分を超えた保護を受けることが可能となりました(第21条)。また、新たに第69条が追加され、海外における商標案件について、当事者は国務院商標主管部門に対し著名商標該当性の認定を請求できるようになり、中国企業による海外での権利保護の円滑化を図ります。

5)休眠商標の整理
旧法では、継続して3年間使用されていない商標の取り消しを行う場合、第三者の申請が必要でした。新法第57条では、国務院商標主管部門が継続して3年間使用されていない登録商標を職権により取り消すことができるという規定が追加され、「登録するだけで使用されない商標」の問題解消を進めています。

6)「悪質商標」の規制強化
新法では、第56条が新設され、公衆に誤認を生じさせる方法により登録商標を使用した場合には、是正命令及び行政処罰(違法営業額の5倍以下、または25万元以下)を科すことができることが規定されました。期限内に是正しない場合、当該登録商標は取り消されます。

2.「産業チェーン・サプライチェーン安全調査業務弁法」の公布・施行

商務部公告2026年第24号「産業チェーン・サプライチェーン安全調査業務弁法」の公布

産業チェーン及びサプライチェーンの安全保障上のリスクを防止するため、商務部は2026年6月22日、「産業チェーン・サプライチェーン安全調査業務弁法」を公布しました。主な内容は以下のとおりです。
1)国内の法人や組織は、外国の国家、地域、組織、個人又は国際機関による措置若しくは行為が、中国の産業チェーン又はサプライチェーンの安全を侵害した、又は侵害するおそれがあり、安全調査を開始する必要があると判断した場合は、証拠資料、報告書などの書面資料を商務部へ提出することができます。
以下、略

3.2026年度科技型中小企業評価業務の開始

工業情報化部中小企業局「2026年度科技型中小企業評価業務の実施に関する通知」(工企業函〔2026〕160号)

科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合を推進し、科技型中小企業の発展を支援するため、工業情報化部中小企業局は本通知を公布しました。主な内容は以下のとおりです。
1)申請要件
要件を満たす中小企業は、自主的に「優良中小企業段階的育成プラットフォーム」(https://zjtx.miit.gov.cn/)にアクセスし、企業登録を行った上で、必要事項を入力し、企業の公印を押印した証明資料をアップロードして申請します。申請は企業自身が行う必要があり、第三者の仲介機関を通じた申請は認められません。
虚偽の申請を行った企業については評価資格が取り消され、その後3年間は評価申請を行うことができません。
以下、略

4.「外資利用の安定化・最適化行動方案」の公布

商務部・国家発展改革委員会・財政部「『外資利用の安定化・最適化行動方案』の公布に関する通知」(商資発〔2026〕97号)

外国投資の促進及び外資管理の最適化を図るため、商務部等は本通知を公布しました。
通知の主な内容は以下のとおりです。
1)金融・医薬分野における対外開放水準の向上
・大規模外資企業は、銀行が提供する「顧客委託書類作成(代客制単)」による国際決済書類作成サービスを利用することができます。(注:「代客制単」とは、銀行が顧客からの委託を受け、国際決済に必要な貿易書類の作成及び関連手続を代行するサービスをいう。)
・要件を満たす外資企業は、中国国内での株式上場による資金調達を行うことができます。
・医薬品の分段生産に関する実施細則を策定し、境外医薬品上市許可保有者による越境分段生産を促進します。
・バイオテクノロジー及び外資独資病院分野における対外開放試行区域を更に拡大します。
以下、略

5.商務部等9部門が「自動車アフターマーケット消費の育成・拡大に関する若干の措置」を公布

商務部等9部門「自動車アフターマーケット消費の育成・拡大に関する若干措置に関する通知」(商消費函〔2026〕145号)

自動車アフターマーケットにおける不合理な規制措置を撤廃し、新たな業態やサービスシーンを育成するため、商務部等9部門は本通知を公布しました。
「自動車アフターマーケット」とは、自動車販売後に発生する車両の使用、整備、改造等に関連するあらゆる消費及びサービス市場を指します。
自動車整備サービスに関する主な措置は以下のとおりです。
・新エネルギー車の整備に関する基準及び規範を改善し、整備技術情報の公開を推進します。
・自動車メーカーは、消費者が整備・保守事業者を自主的に選択する権利を制限してはならず、また、これを理由として「三包」責任(修理・交換・返品の保証責任)の履行を拒否してはなりません。
以下、略

6.「税関指定監督管理場所管理規範」の改正・公布

税関総署公告2026年第81号(「税関指定監督管理場所管理規範」の改正・公布に関する公告)

税関総署は、通関拠点における動植物の検疫・防疫能力を一層強化させるため、2026年6月10日に「税関指定監督管理場所管理規範」(税関総署公告2021年第4号付属書3)を改正・公布しました。旧規範と比較した主な改正内容は以下のとおりです。
1)監督管理場所の区分を8種類から7種類へ変更
2021年版では監督管理場所を8種類としていましたが、2026年版では7種類に変更し、「その他の輸入高リスク動植物及びその製品に係る指定監督管理場所」を削除しました。
2)労働安全衛生に関する要求事項の追加
2026年版では、上位法である「中華人民共和国安全生産法」を新たに追加し、安全生産に関する規定を新設しました。
2021年版には当該規定は設けられていいませんでした。
以下、略

7.輸入自動車・オートバイに関する「二証合一」改革の全面実施

税関総署公告2026年第88号(「貨物輸入証明書(自動車・オートバイ)」及び「輸入自動
車車載検査票」の「二証合一」改革の全面実施に関する公告)

税関総署及び公安部は、輸入自動車の通関効率を向上させるため、「貨物輸入証明書(自動車・オートバイ)」と「輸入自動車車載検査票」の「二証合一(二証一体化)」改革を全国で全面実施することを決定しました。主な内容は以下のとおりです。
1)これまで個別に発行されていた輸入自動車及びオートバイの2種類の証明書については、通関手続及び検査合格後、二証を一体化した「貨物輸入証明書(自動車・オートバイ)」(以下「新版証明書」という)を発行します。
2)輸入貨物の荷受人は、輸入自動車又はオートバイの通関及び検査合格の日から3年以内に、税関に対して新版証明書の発行を申請しなければなりません。
以下、略

8.「化粧品新原料登録届出及び資料管理規定」と「技術通則」の公布

国家薬品監督管理局「化粧品新原料登録届出及び資料管理規定」の公布に関する公告(2026年第59号)
中国食品薬品検定研究院「化粧品新原料登録届出資料技術通則」の公布に関する通知

化粧品新原料の研究開発と応用を促進するため、国家薬品監督管理局は2026年6月25日、新たな管理規定を公布し、2021年版を全面的に改正しました。これに合わせ、中国食品薬品検定研究院は、関連する技術文書として「化粧品新原料登録届出資料技術通則」を公布しました。
旧規定と比較した主な改正内容は以下のとおりです。
1)管理要件と技術要件の分離
旧規定では、行政上の管理要件と具体的な技術要件が一つの規定に混在していました。新規定では、行政管理に関する事項を国家薬品監督管理局が公布する「規定」に定め、技術要件に関する事項を中国食品薬品検定研究院が公布する「技術通則」に定めることとし、両者を分離することで制度の柔軟な運用を可能にしました。
以下、略