重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.299

2026-08-28

【中国ビジネス・トレンド】

重要法令等の解説(簡易版)

1.総合保税区外における保税検査試行事業の実施

商務部弁公庁・税関総署弁公庁による『総合保税区外での保税検査試行事業の実施に関する通知』(商弁服貿函〔2026〕355号)

総合保税区外における保税検査業務の推進を目的として公布された、商務部・税関総署の通知です。
「両端対外」方式(加工貿易などのように、調達と販売先が外国である取引)に関しては、条件を満たす総合保税区外の企業は、申請および承認により、集積回路および民生用電子機器製品の保税検査業務を実施することができます。

保税検査業務とは、企業が保税扱いで貨物を海外から国内に搬入し、品質・規格・性能などの検査を実施した後、再び海外に搬出する業務を指します。保税検査を利用した修理、分解、廃棄処理などの業務は認められません。
試行対象範囲、試行申請要件などの詳細は以下の通りです。
1)試行対象範囲
集積回路検査: 新規開発または生産された集積回路チップ(ウェハを含む)を対象とし、チップ研究開発、ウェハ製造、完成品パッケージ段階において、チップの電気的パラメータ、機能ロジック、物理特性、信頼性などの検証・試験を実施し、チップ製品の設計・製造・適用段階における品質及び性能が基準に適合するか確認する業務を指します。

消費電子製品検査: 国際基準・国家基準・業界基準に基づき、新規生産された消費電子製品及びその部品の安全性、性能指標、互換性、信頼性に関する試験・検査を実施する業務を指します。なお、中古品、修理品、故障品、不良品などの新品以外の部品の検査分析業務は対象に含まれません。消費電子製品にはスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、ウェアラブルデバイス、オーディオビジュアル機器、スマートホーム端末、車載スマート端末などが挙げられます。

2)試行申請要件
(1)当該業務の実施に必要な施設、設備を保有し、検査貨物、検査用部品、検査工程で発生した不良品・端材などを専門的に管理すること。
企業の財務帳簿、倉庫記録には専用の勘定科目を設け、保税検査貨物・部品の受払状況及び保税検査に係る収入状況を記録すること。

(2)監督管理の要件に適合する管理制度及びコンピュータ管理システムを整備し、検査で消費された部品などの情報を全行程追跡可能とし、税関の定めに従って申告を行うこと。

(3)申請企業が信用喪失企業または重大信用喪失企業に該当しないこと。

(4)監督管理上必要なその他の条件を満たすこと。

3)試行申請手続き
要件を満たす企業は三段階(※)の審査に通過した後に業務を開始できます。

(※)所在地の市クラス商務主管部門及び税関による一次審査→省クラス商務主管部門及び直属税関による二次審査→商務部及び税関総署による最終審査

本通知は2026年6月25日施行、別添に「企業保税検査業務試行申請書」が添付されています。

2.ヘリウムに対する一時的輸出禁止規制措置の実施

『ヘリウムに対し一時的な輸出禁止管理の実施に関する公表』(商務部・税関総署公告2026 年第 29 号)

税関商品HSコード 2804290010 に該当するヘリウムの一時的な輸出禁止に関する、商務部・税関総署の公告です。今後政策に変更が生じた場合、両部門は別途公告を発表します。
以下、略

3.輸入印刷・複写オフィス機器に係る対外貿易国家安全保障調査の実施

『輸入印刷・複写オフィス等のオフィス機器に係る対外貿易国家安全保障調査の立件に関する公表』(商務部公告 2026 年第 33 号)

商務部は『中華人民共和国対外貿易法』第41条の規定(対外貿易秩序を維持するため、商務部は単独または国務院の関連部門と共同で、対外貿易における国家安全保障上の利益に関する事項について調査を実施できる)に基づき、初となる対外貿易国家安全保障調査を立件しました。当該公告は、以下の通り、対米対抗措置として公布されたものです。

今回の調査では、外国製システムソフトウェアを搭載した輸入印刷・複写オフィス機器が、中国の対外貿易国家安全保障上の利益に与える影響を評価することを目的としています。調査事項は以下のものを含みますが、これらに限定されません。
以下、略

4.EU14事業者を輸出規制管理リストに掲載する措置の実施

『EU14事業者を輸出規制管理リストに登載することを公表する』(商務部公告 2026 年第 30 号)

本公告に基づき、2026年7月24日より、商務部はラファートグループほか、計14社の EU事業者を輸出規制管理リストに登載することを決定し、別添リストを添付するとともに、以下の措置を実施します。
1)輸出事業者が上記14社に対し両用品目を輸出することを禁止する。海外の組織・個人が中華人民共和国原産の両用品目を当該14社に譲渡・提供することを禁止する。現在進行中の関連取引・業務は直ちに停止しなければならない。
以下、略

5.法定検査対象輸出入商品目録の調整

『法定検査を実施すべき輸出入商品目録の調整に関する公告』(税関総署公告2026年第97号)

本公告に基づき、税関総署は 2026年7月16日より法定検査対象輸出入商品目録を調整することを決定しました。具体的な内容は以下の通りです。
1)硫酸アンモニウム(税関HSコード:3102210000)に係る税関監督管理条件を従来のAからA/Bへ変更する。これにより硫酸アンモニウム製品の輸出時には税関による輸出商品検査を受ける必要が生じる。
以下、略