重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.296

2026-07-10

【中国ビジネス・トレンド】

重要法令等の解説(簡易版)

1.国務院による産業チェーン・サプライチェーンの安全に関する規定

国務院による産業チェーン・サプライチェーンの安全に関する規定(国令第834号)

産業チェーン及びサプライチェーンの安全リスクを防止するため、国務院は本規定を発表しました。主な内容は以下の通りです。
1)重要分野リストの作成と情報共有メカニズムの構築
国務院の関係部門は、原材料、技術、設備、製品を対象とする「重要分野リスト」を作成し、動的に見直しを行います。当該リストに基づき、重要分野における生産・流通を安定させるとともに、産業チェーン・サプライチェーンに係る情報の相互接続を推進し、データの安全性も同時に確保します。

2)対抗措置の明確化
・差別的制限又は損害行為に対する措置:外国が産業チェーン・サプライチェーンにおいて、中国に対し差別的な禁止・制限措置を講じた場合、又は中国の産業チェーン・サプライチェーンの安全を損なう行為を実行・協力した場合、調査の上、関連する貨物・技術の輸出入、国際サービス貿易の禁止・制限、特別料金の徴収などの措置を講じることができます。また、「反外国制裁法」に基づき、関連する組織又は個人を対抗措置リストに掲載することができます。
・非市場的な取引中断行為に対する措置:外国の組織又は個人が市場取引の原則に反して、中国の国民・組織との正常な取引を中断し、又は差別的措置によって実質的な損害や脅威を与えた場合、調査の上、当該外国組織又は個人による対中輸出入、対中投資、中国の組織又は個人との取引・協力を禁止又は制限するなどの措置を講じることができます。さらに、関係する個人の入国、中国国内での就労、滞在又は居留を禁止・制限することができます。これらの措置は、当該組織が実質的に支配し、又は関与して設立した組織に拡大して適用することができます。

3)国内企業に対するコンプライアンス義務の明確化
中国国内の組織又は個人は、上記の対抗措置を履行しなければなりません。規定に違反した場合、国務院の関係部門は是正を命じ、当該組織又は個人に対し、政府調達、入札、関連する輸出入又はサービス貿易、データの越境伝送への関与を禁止・制限することができます。また、出国や中国国内での滞在・居留を制限することができます。
本規定は公布日から施行されます。

2.国務院弁公庁による投資審査許可制度改革の深化

国務院弁公庁による投資審査許可制度改革の深化に関する意見(国弁発〔2026〕13号)

投資審査許可権限の配分を最適化し、審査許可サービスの利便性を向上させるため、国務院弁公庁は本意見を発表しました。主な内容は以下の通りです。
1)企業投資プロジェクトの認可・届出の規範化
・認可管理:旧政策(国発〔2016〕72号)では、「地域の重要計画・配置、重要資源の開発・配分に係るプロジェクト」のみを省級認可とし、権限の委譲を禁止していました。今回の新規制では、国が省級政府の認可を要すると定めるプロジェクトについては、認可権限を委譲してはならないことに統一されました。
・届出管理:旧政策(「企業投資プロジェクト認可・届出管理弁法」、国家発展改革委員会令2017年第2号公布、2023年改正)では、届出済みプロジェクトの情報に重大な変更が生じた場合、企業は速やかに届出機関に報告することとされていましたが、変更頻度の制限や、長期未着工プロジェクトの届出取消し制度については定められていませんでした。今回の新規制では、届出情報の変更頻度を厳格に制限し、長期未着工プロジェクトの届出取消し制度を確立します。
以下、略

3.「中華人民共和国反外国不当域外管轄条例」の公布

中華人民共和国反外国不当域外管轄条例(中華人民共和国国務院令第835号)

他国が国際法に違反して実施する不当な域外管轄措置に対応し、中国の公民及び組織の合法的権益を保護するため、国務院は本条例を公布しました。主な内容は以下の通りです。
1)外国による不当な域外管轄措置の執行又は執行協力の禁止
国務院の関係部門が、ある外国の措置を「不当域外管轄」に該当すると識別し、これを公告した後は、いかなる組織又は個人も、中国国内において当該措置を執行し、又はその執行を協力してはなりません。
以下、略

4.税関総署による総合保税区の能力拡大と質的向上を促進するための若干措置の発表

国務院弁公庁による税関総署「総合保税区の能力拡大と質的向上を促進するための若干措置」の転送に関する通知(国弁函〔2026〕40号)

総合保税区の発展を促進するため、国務院弁公庁は本通知を転送しました。
1)新業態・新モデル
(1)保税修理及び保税検査:旧政策では、保税修理の対象製品はポジティブリスト管理が行われていました(商務部・生態環境部・税関総署公告2020年第16号、2021年第45号、2024年第7号、2025年第82号)。今回の新政策では、目録による制限を撤廃し、総合保税区における保税修理製品のネガティブリスト管理を模索します。また、国内で加工・輸出された製品及びその部品・付属品はすべて区域内での修理が可能となり、修理の主体も自社グループに限定されません。修理完成品は区域内の輸出向け生産に使用できるようになり、将来的には、修理完成品の国内販売についても段階的に認めます。さらに、検査用に輸入された消耗性材料については、実際の検査消費量に基づき税関管理上の消込が可能となります。
(2)再製造:旧政策でも再製造業務の実施は認められていましたが(税関総署令第256号)、中古品の輸入は依然として「中古機械製品輸入禁止目録」により制限されていました。新政策では、「両頭在外」(原材料調達と製品販売がともに国外にあること)による保税再製造業務の実施を明確に認めます。また、国外で再製造された製品が総合保税区に搬入され、国際物流の仕分け・配送業務を行う場合には、中古品輸入に関する禁止又は制限措置を適用しないこととしています。
(3)越境Eコマース:越境Eコマース輸出商品の総合保税区への返品が認められ、区内貨物と同一倉庫での保管、仕分け、再パッケージングを経て再輸出することが可能となります。
以下、略

5.税関総署による一部の規則の改正

税関総署令第283号(税関総署による一部の規則を改正する決定)

動植物検疫の監督管理業務の規範化レベルを更に向上させるため、税関総署は関連する7つの規則を改正することを決定しました。
1)「入境貨物木質包装検疫監督管理弁法」の主な改正点
・香港・マカオ経由の中継輸送に関する特別措置の削除:旧弁法では、香港・マカオを経由して中継輸送される木質包装について、要件を満たさない場合でも、現地の検査機関による処理や未使用証明書の発行を申請することが認められていました。新規定ではこの特別措置を削除し、すべての入境木質包装について国際規格(IPPC)を統一して適用し、IPPCマークの貼付を義務付けます。
・違反行為の表現の調整:処罰事由における「IPPC専用マークの偽造、変造、盗用」という表現を「IPPC専用マークの偽造、変造」に改め、「盗用」の事由を削除しました。
・法的根拠の追加:従来の「輸出入動植物検疫法」及びその実施条例に加え、あらたに「生物安全法」を法執行の根拠として追加しました。
以下、略

6.税関総署による輸出貨物通関申告書の申告項目の調整

税関総署公告2026年第40号(輸出貨物通関申告書の申告項目調整に関する公告)

税関総署は輸出貨物通関申告書の申告項目を以下の通り調整しました。
・「禁限管制識別コード」及び「禁限管制申告要素」の2つの申告項目を追加します。
以下、略

7.「中華人民共和国エネルギー効率ラベル対象製品目録(2026年版)」及び関連実施規則の公布

国家発展改革委員会・市場監管総局による「中華人民共和国エネルギー効率ラベル対象製品目録(2026年版)」及び関連実施規則に関する通知

国家発展改革委員会及び市場監管総局は、エネルギー使用製品のエネルギー効率の向上を加速させるため、「エネルギー効率ラベル管理弁法」の規定に基づき、「中華人民共和国エネルギー効率ラベル対象製品目録(2026年版)」及び関連実施規則を改正・作成しました。
1)製品目録について
本通知は、現時点でエネルギー効率ラベル管理を実施している製品目録を整理したものであり、 対象製品は全37類となっています。
以下、略