重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.292
2026-05-28【中国ビジネス・トレンド】
重要法令等の解説(簡易版)
1.市場監管総局による「中華人民共和国不正競争防止法」の更なる実施
市場監管総局による「中華人民共和国不正競争防止法」の更なる徹底実施に関する通知(国市監競争発〔2026〕40号)
2025年10月15日に施行された「不正競争防止法」に関し、重点調査のポイントを明確化する通知です。重点ポイントは以下の通りです。
(1)内部消耗競争の総合的な改善
インターネットプラットフォーム事業者が、事業者に対して、原価割れ販売の強制や、不公平・不合理な対応をする行為を厳格に取り締まります。
(2)大企業による中小企業への長期間の代金未払い行為の防止・改善
大企業による優越的地位の濫用、中小企業への不当な取引条件の受け入れ強要や代金未払い行為を改善します。
(3)ネットワーク上の不正競争行為に対する監督管理の強化
データ、アルゴリズム、技術、プラットフォームルールを悪用する不正競争行為(データの乗っ取り、妨害行為、虚偽取引、ルールの悪用など)を厳格に取り締まります。
(4)典型的な不正競争行為の取締
模倣・混同(他人の商品名称・包装等の無断使用)、虚偽宣伝、営業機密の侵害、不正な懸賞販売等を取り締まります。また、贈賄・収賄に付いても取締りを徹底し、収賄側に対する処罰規定を新たに追加します。
(5)営業秘密保護の強化
営業秘密保護に関するルール体系を整備し、国家推奨営業秘密保護管理体制認証を推進するなどし、保護の標準化レベルを向上させます。
(6)法執行の規範化とコンプライアンス指導
法の執行・処罰の内容を規範化し、企業の競争コンプライアンス指導を強化します。
2.AEO企業(税関高級認証企業・税関認証企業)の資格基準改定
「税関高級認証企業基準」「税関認証企業基準」の公布に関する公告(税関総署公告2026年第34号)
2026年4月1日より、「税関登記と備案企業信用管理弁法(税関総署令2026年第282号)」に基づき、税関信用ランク制度が変更されています。
新制度に基づけば、税関ランクは、「高級認証企業、認証企業、一般企業、信用喪失企業、厳重信用喪失企業」の5段階となります(改定前は3段階)。
これに伴い、「税関高級認証企業基準(税関総署公告2022年第106号により公布)」の改定を行ったのが当該公告ですが、高級認証企業の規準が変更。更に、旧制度では、AEOに該当しなかった「税関認証企業」の基準が新たに設定されました。
以下、略
3.「中華人民共和国税関登記・登録及び届出企業信用管理弁法」に関する事項の公布と執行
「中華人民共和国税関登記・登録及び届出企業信用管理弁法」に係る法律文書様式の公布に関する公告(税関総署公告2026年第35号)
「中華人民共和国税関登記・登録及び届出企業信用管理弁法」の執行に関する事項の公告(税関総署公告2026年第32号)
上記2の税関信用ランク制度に基づく制度変更の公告です。
税関は、「中国税関企業輸出入信用情報公示プラットフォーム(中国海関企業進出口信用信息公示平台)」により、通関行為を行う企業の信用状況を公示しますが、税関総署公告2026年第32号は、当該制度のルール、方針の告知に関するもの。税関総署公告2026年第35号は、各種フォーマット(申請書、決定通知、その他)の告知に関するものです。
以下、略
4.「工業情報化部弁公庁による2026年度専精特新「小巨人」企業の認定及び再査定作業の実施
工業情報化部弁公庁による2026年度専精特新「小巨人」企業の認定及び再査定作業の実施に関する通知
「小巨人」企業とは、工業情報化部(工信部)が認定する「専精特新」企業(専門化・精密化・特色化・新規性を備えた中小企業)の中から選抜された最上位の企業を指します。これらの企業は、優れた能力と技術を有し、個別市場で高いシェアを誇り、品質・効率に優れた、優良中小企業と位置付けられます。
当通知は、小巨人企業の選定に関するもので、「優良中小企業の段階的育成管理弁法(工信部企業[2026]2号)に基づき、認定・再審査作業が開始されます。
5.「中華人民共和国税関輸入食品海外生産企業登録管理規定」の実施
「中華人民共和国税関輸入食品海外生産企業登録管理規定」の実施に関する事項の公告(税関総署公告2026年第27号)
【背景説明】
「輸入食品境外生産企業登録管理規定(税関総署令2021年第248号)、以下、登録規定」により、2022年1月1日から、中国に食品を輸出する外国企業・組織は、中国の税関総署での備案が義務付けられ、これが受理された後に輸出が可能となります。
この制度は、2025年10月14日に公布された同規定が改定(税関総署令2025年第248号)されたことにより、2026年6月1日から制度が調整されますが、概要は以下の通りです。
● 申請方式の統合
現行の「企業による申請」と「輸出者所在国の主管政府部門による推薦申請」の2つの方式を、原則として企業による申請に統合。ただし、推薦方式を採用する品目については、主管政府部門が発行した検査報告と推薦状の提示が必要。
● 登録自動延長方式の採用
「自動延長不可食品リスト」に記載されている場合などを除き、登録期間満了後は5年間の自動延長が可能。
● 食品安全協議締結国の特例: 中国と食品安全協力文書等を締結している国・地域の場合、リスト登録などの簡便措置が認められる。
今回の税関総署公告2026年第27号は、「登録規定」の実施に伴い、輸入食品の安全登録管理制度体系を充実させるために公布したもので、主な内容は以下の通りです。
以下、略
6.越境EC小売輸出商品の税関区を跨ぐ返品の全面的な普及
越境EC小売輸出商品の税関区を跨ぐ返品の全面的な普及に関する公告(税関総署公告2026年第24号)
海外消費者からの返品に伴う逆物流(中国→海外→中国)のコストと時間を削減するため、税関総署は2026年4月1日より、全国一律で越境EC小売輸出(9610)貨物の税関区を跨ぐ返品を認める制度を開始しました。
※ 本制度は輸出後の返品(逆物流)の効率化であり、保税区域内の輸入品の跨区返送(1210パターン)とは異なりますのでご留意ください。
以下、略