重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.286
2026-04-01【中国ビジネス・トレンド】
重要法令等の解説(簡易版)
1.輸出入貨物の複合一貫輸送業務モデル試行の開始
輸出入貨物の複合一貫輸送(海鉄・水水の一部)業務モデル試行の開始に関する公告(税関総署公告2026年第12号)
税関総署は2026年第12号公告を発表し、前回の試行(税関総署2024年第137号公告)を基礎として、輸出入貨物の海鉄連絡輸送(海上+鉄道)、水水中継(水上+水上中継)複合一貫輸送の監督管理モデルの試行を開始しました。
通関の利便化水準を高め、複合一貫輸送の発展を支持することを目的としています。
今回の試行は前回試行の範囲拡大・最適化したもので、主に対象範囲の拡大、プロセスの簡素化、柔軟性の向上が変更されています。具体的な内容は以下の通りです。
1)前回の試行
輸出段階に限定され、「鉄道・トラック連絡輸送」(鉄道+道路)の単一モデルに焦点を当てており、試行範囲は比較的狭く、柔軟性が不足していました。
2)今回の試行
(1)範囲:輸出入の双方向を対象とし、海鉄連絡輸送、水水中継モデルを新たに追加します。
(2)プロセス:2017年に実施された税関の全国一体化により、輸入地(到着港)か輸入者所在地税関での選択通関が可能となっています。これにより、複合一貫輸送貨物は、別途「転関」(一旦保税地域等に貨物を運び入れ、改めて次の目的地までの通関手続きを行うこと)を申告する必要がなく、申請書を提出し審査を経た後、そのまま通関・引き渡しが可能です。
(3)利便化措置:一部貨物の先行搬出、積み替え・仕分け、輸出後の貨物を仕向地に戻さないことの容認等を新たに追加します。
(4)整合:2024年第137号公告の内容で本公告と一致しない部分については、本公告を基準とします。
本公告は2026年1月27日より実施されます。
2.市場監督管理総局は一部の強制性製品の認証モードを調整します
強制性製品認証目録内一部製品の認証モード調整に関する公告
市場監督管理総局は、製品の品質安全管理をさらに強化するため、『中華人民共和国認証認可条例』の関連規定に基づき、強制性製品認証(CCC認証)目録内の一部製品について認証モードを調整し、第三者認証評価方式を実施することを決定しました。
公告の要求事項は以下の通りです。
(1)2027年1月1日より、ヒューズ、小型モーター、電気ドリル、電気グラインダー、電気ハンマー、直流アーク溶接機、TIGアーク溶接機、MIG/MAGアーク溶接機、プラズマアーク切断機、自動車用安全ガラス、自動車用シートベルト、自動車用外部照明及び光信号装置、自動車用間接視界装置、自動車用シート及びシートヘッドレスト、自動車用運行記録計、車体反射材等16種類の製品は、CCC認証書を取得し、認証マークを貼付した後でなければ、工場出荷、販売又は輸入等を行うことができません。「強制性認証製品適合性自己声明情報報告システム」における関連製品の自己声明は、一斉に抹消されます。
以下、略
3.企業名称申告のガイドラインを発表
企業名称申告指引(2025年版)(2025年第59号)
国務院は2020年12月に『企業名称登記管理規定』(国務院令第734号)を改正し、企業名称を「事前承認制」から「自主申告制」(※)に変更しました。これを踏まえ、国家市場監督管理総局は2023年8月に『企業名称登記管理規定実施弁法』を発表し、自主申告規範をさらに詳細に定めました。
今回、市場監督管理総局は近年の企業名称登記実務を踏まえた上で、2025年12月に『企業名称申告指引(2025年版)』(以下「指引」という)を制定し、企業が名称を申告する際の明確なガイドラインとして公布しています。
以下、略
※「事前承認制」は、企業が使用したい名称をあらかじめ行政機関に申請し、承認後に使用が認められる制度です。一方、「自主申告制」は、企業が一定のルールに基づき自ら名称を決めて申告し、問題がなければそのまま登記できる現行の制度を指し、一定の簡略化が実施されています。
4.市場監督管理総局は経営主体登記文書規範及び提出材料規範を発表しました
経営主体登記文書規範及び提出材料規範(2026年版)(国市監注発〔2026〕5号)
「市場主体登記管理文書規範」は、市場主体(法人・支店・その他の組織形態の総称)の各登記申請手続きに際しての提出文書、条件などを取りまとめたものであり(申請書・登記文書のサンプルや手続きの条件が記載されている)、2022年に公布されています。これが、会社法の改定などの制度変更を踏まえて、2026年版が公布されました。
以下、略
5.優良中小企業の段階的育成
優良中小企業段階的育成管理弁法(工信部企業〔2026〕2号)
中小企業の専門特化・新規発展を促進し、新型工業化の推進、新質生産力の発展、現代化産業体系の建設を支えるため、工業情報化部は2022年に発表した『優良中小企業段階的育成管理暫定弁法』を改正し、新版の『優良中小企業段階的育成管理弁法』を制定しました。
本弁法は2026年4月1日より施行され、施行前に既に開始された再審査業務は、旧基準に従って執行することができます。今回の主な改定内容は以下の通りです。
1)育成体系の健全化
(1)育成範囲の拡大
科技型中小企業を優良中小企業の段階的育成範囲に組み入れ、革新型中小企業と共に優良中小企業の基礎的構成主体とし、科技・革新型中小企業と総称します。
(2)企業負担の軽減
部門間のデータ共有を強化し、企業の記入事項を削減します。既に認定を取得した企業は、最高ランクの再審査を受けるだけで済みます。名称変更、移転等の変更手続きを簡素化し、企業はプラットフォーム上での申請のみで完了します。
以下、略
6.「人工知能+製造」特別行動の実施
「人工知能+製造」特別行動実施意見(工信部聯科〔2025〕279号)
本通知は、国務院の『「人工知能+」行動の深化実施に関する意見』(国発〔2025〕11号、2025年8月発表)を製造業分野において具体化するための専門的な細分化文書です。
主に人工知能と製造業の深度融合に焦点を当て、新質生産力を創り出し、新型工業化を促進するために策定された具体的な実施措置です。通知には以下の内容が述べられています。
(1)人工知能によるエンパワーメント基盤の強化計算能力、モデル、データの三大基盤能力の構築を強化し、高性能チップ、AI計算施設及びAI計算クラウドの配置を加速します。汎用大規模モデル、業界大規模モデル及び工業用小規模モデルの協同発展を推進し、規模化応用のための基盤を築きます。
以下、略
7.オンライン取引プラットフォーム規則の監督と管理
オンライン取引プラットフォーム規則監督管理弁法(国家市場監督管理総局、国家インターネット情報弁公室令第116号)
国家市場監督管理総局と国家インターネット情報弁公室は、オンライン取引プラットフォーム規則の制定、修正及び執行を規範化し、オンライン取引に係る各主体の合法的権益を保護し、プラットフォーム経済の健全で持続可能な発展を促進するため、本弁法を制定しました。主な内容は以下の通りです。
1)プラットフォーム規則の制定と修正
(1)プラットフォーム規則は、必ずトップページの目立つ位置に持続的に公示しなければなりません。内容は明確で分かりやすいものであることを要し、料金徴収、紛争解決など重大な利害関係に関わる内容については、目立つ方法で提示し、事業者や消費者の求めに応じて解釈・説明を行わなければなりません。
(2)規則を制定又は修正する前に、必ずトップページの目立つ位置で意見を公募し、合理的な意見を採り入れなければなりません。規則は実施の少なくとも7日前までに公示する必要があり、重大な権益に関わる場合は、少なくとも15日前までに公示しなければなりません。権益に重大な影響がある場合は、合理的な移行期間を設ける必要があります。
以下、略
8.『商事調停条例』の公布
商事調停条例(国令第827号)
今回の『商事調停条例』(2026年5月1日施行)は、中国で初めて商事調停を専門的に規範化した行政法規です。従来の関連規定がさまざまな法律に散在していた混乱を解消し、企業等の当事者が貿易、投資、知的財産権、金融等の分野における商事紛争を解決するための、規範化された非訴訟紛争解決手段を提供するものです。
主な内容は以下の通りです。
(1)調停の申請
商事紛争が発生した場合、企業は商事調停組織に対し調停を申請することができます。当事者の一方が明確に拒否した場合は、強制的に調停を行ってはなりません。
(2)調停の原則と形式
調停は自発、合法、誠実信用、秘密保持の原則に従い、通常は非公開で行います。オンライン調停とオフライン調停は同等の法的効力を有します。
以下、略