【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.206
2023-09-21【中国ビジネス・トレンド】
以下のビジネス動向に付いて解説します。
■ 華南ビジネス・トレンド
華南地域(広東省)の最近のビジネストピックスを、地方通知などを踏まえてご紹介します。
1.2022 年全省全口径城鎮単位就業人員の平均賃金及び 2023 年従業員基本養老保険納付基数上下限に関する問題の通知(粤人社発[2023]22 号)
広東省統計部門の統計により、2022 年の全省全口径城鎮雇用者全省各種企業、機関及び団体の雇用者の月平均賃金が 8,807 元であることが発表されました。
そのうち、第一類の地域(広州市、深セン市、省直轄市)の月平均賃金は 10,449 元、第二類の地域(珠海市、仏山市、東莞市、中山市)は 7,577 元、第三類の地域(汕頭市、恵州市、江門市、肇慶市)は 7,077 元、第四類の地域(韶関市、河源市、梅州市、汕尾市、陽江市、湛江市、茂名市、清遠市、潮州市、掲陽市、雲浮市)は 6,983 元でした。
また、2022 年広東省及び各都市と城鎮の非私営組織における在職従業員の月平均賃金リストが公表され、私営組織の就業者の月平均賃金は 6,471 元でした。
各都市は 2022 年の全口径城鎮雇用者平均賃金を基準として、関連規定に従い企業従業員の基本養老保険、機関・事業体の養老保険及び特定人員の労災保険の納付基数の上下限を適時に調整することとなります。
調整後の納付基数上下限の適用期間は、企業従業員の基本養老保険と特定人員の労災保険は 2023 年 7 月 1 日から 2024 年 6 月 30 日まで、機関・事業体の養老保険は 2023 年 1 月 1 日から 2023 年 12 月 31 日までとなります。
原文は こちら
2.広東省広州市、深セン市、東莞市による「2023 年度外国人就労許可の給与所得計算基準に関する通知」
広東省各都市の外国人専家局は、「粤人社発[2023]22 号」の統計結果に基づき、外国人就労許可 A 類及び B 類の給与所得計算基準を発表しました。広州市、深セン市、東莞市の基準は以下の通り。
広州市
「国家外国専家局・人力資源社会保障部・外交部・公安部の外国人中来華工作許可制度の全面実施に関する通知(外専発[2017]40 号)」に基づき、外国人が中国で就労許可を申請する際に、平均給与所得が当該地域の前年度社会平均賃金の 6 倍を下回らない外国人は、外国ハイエンド人材(A 類)として認定されます。平均給与所得が当該地域の前年度社会平均賃金の 4 倍を下回らない外国人は、外国専門人材(B 類)として認定されます。
「科学技術部弁公庁・人力資源社会保障部弁公庁による広州市外国籍“高精尖欠”人材認定基準の試行実施に関する通知(国科弁才[2022]181 号)」に基づき、広州市は外国ハイエンド人材(A 類)と外国専門人材(B 類)の認定範囲がさらに拡大されました。
当該文書によると、外国人の平均給与所得が当該地域の前年度全口径城鎮雇用者の平均賃金の 6 倍を下回らない場合、外国ハイエンド人材(A 類)として認定されます。つまり、広州市で働く外国人の就労許可の給与所得計算基準は、前年度当該地域の全口径城鎮雇用者の平均賃金となります。
2022 年広州市全口径城鎮雇用者の月平均賃金は 10,449 元です。
深セン市
深セン市は「外専発[2017]40 号」及び「国科弁材[2022]182 号」に基づいて A 類と B 類を認定します。深セン市における外国人就労許可の給与所得計算基準は、当該地域の前年度全口径城鎮雇用者の平均賃金になります。2022 年深セン市全口径城鎮雇用者の月平均賃金は 10,449 元です。
東莞市
東莞市における外国人就労許可の給与所得計算は、前年度社会平均賃金を基準としています。前年度社会平均賃金は、東莞市統計局が発表した非私営組織における在職従業員の月平均賃金に基づいて決定されます。2022 年東莞市城鎮雇用者の年間平均賃金は 93,768 元(月平均賃金は 7,814 元)です。
広東省三都市の基準
2022 年月平均賃金・外国人給与所得の計算基準(A 類)・外国人給与所得の計算基準(B 類)
広州 10,449 元・62,694 元/月・41,796 元/月
深セン 10,449 元・62,694 元/月・41,796 元/月
東莞 7,814 元・46,884 元/月・31,256 元/月
3.広東省市場監督管理局省級広告産業園区管理弁法(粤市監規字[2023]4 号)
広東省は、省級広告産業園区の建設と管理をさらに規制し、広告業界の高品質な発展及び地域経済の発展を推進するため、「国家広告産業園区管理弁法」、広東省人民政府弁公庁の「広告産業の発展を促進するための若干意見(粤府弁[2012]1 号)」などに基づいて、6 月 29 日に本弁法を公布しました。本弁法では省級広告産業園区の申告に必要な条件や認定と評価方法について規定されています。
省級広告産業園区に認定された場合、広東省市場監督局は関連部門の支援策と優遇政策の申請を積極的に推薦し、園区及び園区所在地の政府は関連規定に基づいて支援を行います。各市場監督部門は園区に進出する広告及び関連企業を積極的に誘導し、各政府の関連支援及び優遇政策を最大限に活用します。
本弁法は 2023 年 7 月 30 日から実施され、有効期間は 5 年間です。
原文は こちら
4.2023 年下半期省エネ車増量の割当枠及び申請条件の調整に関する通知(穂交運[2023]280 号)
広州交通運輸局は 7 月7日、自動車消費を促進し、自動車の省エネルギーと排出ガス削減を推進するため、広州市人民政府の同意を得て、本通知を公布しました。具体的な内容は以下の通り。
一、従来の中小型乗用車増量割当計画に基づき、2023 年下半期に省エネルギー車 2 万台分の割当枠を追加する。追加分は月平均で配分し、企業と個人の配分率は 1:9 とする。具体的な割り当ては、広州市指標管理機関が毎月の増量割当計画に組み入れ、月ごとに構成して実施する。当月に割り当てることができなかった分は、翌月の個人の省エネルギー車に割り当てる。
二、非広州戸籍の個人が 2023 年 7 月から 2023 年 12 月までの期間に省エネルギー車の増量枠の抽選に申し込む場合、社会保険料納付に関する条件が一時的に取り消される。
これらの措置により、省エネ自動車の新規登録が増加し、広州の自動車消費が促進することになります。
省エネ車とは、一定の条件を満たした非プラグインハイブリッド車を指し、関連する車種については、広州市中小型乗用車指標規制管理情報システムで確認できます。
原文は こちら
5.広州市南沙新区(自由貿易区)における製造業の高品質発展を促進するための 10 措置(穂南開工信規字[2023]1 号)
「国務院による広州南沙において世界に向けて広東・香港・マカオの全面協力を深化する総体方案の通知(国発[2022]第 13 号)」などを実施し、南沙区製造業の高品質な発展を推進するために、本措置が制定されました。公布日より施行され、2027 年 12 月 31 日まで有効となります。
製造業 10 項目の奨励措置は以下の通りです。
1)小規模から大規模への昇格奨励
小規模から大規模に昇格した工業企業に対し、20 万人民元の奨励金を一回限り支給する。
2)生産総額躍進奨励
一定の生産高を突破した工業企業を対象に、2 年以内に平均 10 ~ 2,000 万元を支給する。
3)資金支援奨励
国、省、市の工業情報部門より工業投資及び技術改造の特別資金を支援されたプロジェクトに対し、支援金額に応じて 50 ~ 250 万元を支給する。
4)年間安定成長奨励
経済貢献度の 12%、15%、20%の基準に従って、年間生産高が増加した企業に最大 5,000 万元を支給する。
5)産業連携発展奨励
南沙区内の企業連携を促進する買い手企業に対し、最大 300 万元を支給する。
6)工業投資奨励
企業の工業投資を拡大するための奨励。プロジェクトの固定資産投資額の 5%を奨励金として支給し、最大で 5,000 万元が与えられる。
7)イノベーション推進奨励
国家及び省レベルの製造業センターを区内で設立する場合、それぞれ 500 万元、200 万元の一回限りの奨励金と 3 年連続で最大 200 万元の賃貸補助金を支給する。
8)スマート化グリーン発展奨励
国のグリーン製造業模範リストに入る園区、企業、プロジェクトにそれぞれ 100 万元、50 万元、10 万元の奨励金を一回限り支給する。
9)工業用地の効率的な利用奨励
計画に応じて適切に容積率を引き上げた企業に対し、最大で 400 万元の奨励金を支給する。
10)工業園区の高質な発展奨励
区内の工業生産高 1 億元あたり 10 万元の奨励金を支給し、広州市の工業園区で支援を受ける企業に対し支援額の 50%の奨励金を支給する。
原文は こちら
6.広州南沙新区(自由貿易区)における総部経済発展支援弁法をさらに促進するための通知(穂南開管弁規[2023]4 号)
南沙区人民政府は「広州南沙において世界に向けて広東・香港・マカオの全面協力を深化する総体方案」を実行するため、総部経済発展支援弁法を制定しました。本弁法は施行日から 5 年間有効です。支援政策の内容は以下の通り。
1)居住奨励:新たに居住する本部企業に対して、奨励金として最大 3,000 万元を支給する。
2)持続的経営発展企業への支援
企業の地域経済貢献に応じて、新規設立または新規認定の本部企業に経済貢献額の 95%の奨励を与える。本部企業が上場した場合、経済貢献に基づき最大経済貢献額の 80%の奨励を支給する。
3)産業用地の補助
区内に本部企業を設立する場合、最長 3 年間の事務所敷地の賃料を免除する。区内に物件を購入する、または自社用オフィス、工業工場、倉庫用地を賃貸する場合、最大で 1,000 万元の一回限りの補助金と毎年 300 万元の賃料補助金を支給する。
4)固定資産投資奨励
プロジェクトの実際の総投資額に応じて、それぞれ 5,000 万元、3,000 万元、2,000 万元の一回限りの奨励金を支給する。
5)レベルアップ奨励
初めて世界 500 強、世界 1000 強、中国企業 500 強、中国民間企業 500 強、中国製造企業 500 強、中国サービス業 500 強、中国小売業 100 強にランクインした企業に対して、それぞれ 2,000 万元、1,000 万元、500 万元、100 万元、100 万元、50 万元の一回限りの奨励金を支給する。
6)買収合併による再編奨励
買収合併した上場企業の株式を所有する本部企業や“新三板”に上場している企業を本区に設立する場合、最大で 500 万元の奨励金を支給する。
7)対外投資奨励
2 つ以上の「一帯一路」沿線国や地域、または香港・マカオ・台湾において、直接投資、買収合併などにより分支機構を設立し、一つのプロジェクトの投資額が 500 万米ドル以上の場合、奨励金を支給する。奨励基準は 300 万元。
8)政府の質の高いサービス支援
条件に合致する本部企業は“南沙人材カード”を申請することにより、子女教育及び医療保険サービスを受けることができ、アパートの申請、住宅の購入、ビザ取得など、政府の便利なサービスを利用することができる。
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7.横琴広東マカオ深度協力区における展示会産業発展支援弁法(第 2/2023 号経済発展局規範性文書)
「横琴広東マカオ深度協力区建設総体方案」を実施し、国際的な影響力を持つ展示会プラットフォームを構築するため、横琴広東マカオ深度協力区経済発展局は産業発展支援策を公布しました。
展示会プロジェクトに対する補助金の支給、展示会プロジェクトの段階的な育成、より多くの優れた展示会が協力区に定着するよう誘致することを明らかにしました。
展示会産業発展の支援金は 13 種類の展示会プロジェクト補助金、4 つの展示会企業奨励金、2 つの人材育成補助金の 3 つのカテゴリー合計 19 項目に使用されます。
本弁法は 2023 年 1 月 1 日に施行され、2025 年 12 月 31 日まで有効となります。
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8.横琴広東マカオ深度協力区建設及び発展を積極的に促進するための出入国管理サービスの若干措置
7 月 18 日、中華人民共和国出入国管理局は「横琴広東マカオ深度協力区建設及び発展を積極的に促進するための出入国管理サービスの若干措置」を公布しました。本措置は「横琴広東マカオ深度協力区建設の総体方案」を全面的に実施し、広東・香港・マカオ大湾区建設の支援を目的としています。
本措置は、人員及び車両の便利な越境移動、特色ある産業を拡大するためのサービス、社会的国民生活の保障という三つの内容が含まれています。
1)“常旅客”計画を推進し、日常的に往来する条件を満たした出入境者に便利な通関手続きを提供し、出入境車両の通関効率を高める。
2)特色ある産業の人員及び車両に対して、出入境の証明書やビザ取得の予約、快速通関を提供し、展示会産業発展の支援、オンライン申告手続きの最適化、観光業界の発展のための促進を支好持する。
3)横琴岸を経由してマカオ空港から搭乗する旅客に対し便利な通関手続きを提供し、専用通関ルートの建設を加速させ、越境する学生のための専用ルートを設置し、特定グループによる通関をさらに利便化する。また、協力区内に出入りする車両の届け出を最適化し、車両情報の自動登録を実現し、マカオからの自動車の区内アクセスをさらに便利なものにする。
原文は こちら