【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.190
2023-03-03【中国ビジネス・トレンド】
以下の重要規定に関して解説します。
1.越境 E コマース輸出商品の返品に関する税収政策の公告(財政部・税関総署・税務総局公告 2023 年第 4 号)
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2023 年 1 月 30 日に公布された、越境 E コマースで輸出した製品の返品再輸入時の関税・増値税・消費税の納付を、公布日より 1 年間免除するものです。
1)対象物品
越境 E コマースで中国から輸出した商品で、税関監督番号が、1210、9610、9710、9810 に該当し、売れ残り・客からの返品により、輸出日から 6 か月以内に、輸出時の状態のまま、再輸入する商品になります(食品は含まず)。
また、輸出関税の課税対象品目の場合、輸出時に納付済の輸出関税も還付されます。
尚、輸出に際して、増値税輸出還付を受けている場合は、還付金を返金する必要が有ります。
- (1)1210
中国内の個人・E コマース企業が、税関公認の越境 E コマースサイトで成約し、保税区域経由で小売商品を輸出する方式。 - (2)9610
中国内の個人・E コマース企業が、税関公認の越境 E コマースサイトで成約し、税関オンラインに「商品・物流方式・決済条件」情報を記載したリストを提出する簡易税関申告方式を採用して、小売商品を輸出する方式。 - (3)9710
中国内の企業が越境 E コマースのプラットフォームで成約し、国際物流方式で直接貨物を海外企業に対して輸出する方式。 - (4)9810
中国内の企業が貨物を海外倉庫に輸出し、越境 E コマースプラットフォームで成約後に、海外倉庫から海外の購入者に商品を送付する方式。
尚、1210 に関連する輸出商品の場合、保税開発区から出区し、中国から輸出された日から 6 ヶ月以内に、非保税区域に再輸入する必要があります。
2)原状通りの条件
条件となる「原状通りの返送する」とは、輸出商品を再輸入する際に、原則的な形状一致を指し、部品等の追加、如何なる加工、改修などは認められませんが、開封、検査、取り付け、テスト等を行っただけであれば、原状と見なされます。
返品貨物は未使用である必要がありますが、試用後に品質不良であったことが証明できる場合は、この限りではありません。
3)その他
企業は輸出商品に関する申告リスト、若しくは、輸出通関単、返品理由に関する状況説明書を、税関に提出する必要があります。
売れ残りを理由としての返品の場合は、企業が「自己声明」を提出し、客先からの返品の場合は、返品記録(越境 E コマースプラットフォームの返品記録等)、返品協議等の証明資料を税関に提出する必要があります。
2.年度個人所得税確定申告に関する公告(国家税務総局公告 2023 年第 3 号)
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2022 年度の確定申告の説明のための公告で、以下の内容が記載されています。
1)申告所得
年度収入から、基礎控除(年間 6 万元)・三保一金(養老保険、失業保険、医療保険、住宅積立金)等専用控除・子女教育費等特別不可控除・条件に合致する公益慈善事業寄付金などを控除し、算出した税額である点が記載されています。
2)確定申告が不要な個人
- (1)年度に追納すべき税額が有るが、年間の総合所得が 12 万元を超過しない場合。
- (2)追納税額が 400 元を超えない場合。
- (3)予定納付額と最終税額が一致している(追納が不要な)場合
- (4)税額還付が受けられるが、これを申請しない場合
3)確定申告期限
上記の条件に合致しない場合は、2023 年 3 月 1 日~ 6 月 30 日の期間に確定申告が必要となります。
また、3 月 1 日以前に中国を離れる外国人は、それ以前に確定申告が可能です。
3.輸出還付税率 2023A 版に関する通知(税総貨労函 2023 年 12 号)
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2023 年度の増値税輸出還付税率の一覧を公布する通知です。
4.対米国・カナダ差別的関税不徴収に関する商品リスト(税委会公告 2023 年第 1 号)
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2023 年 2 月 16 日~ 2023 年 9 月 15 日の期間に、米国・カナダに対する報復関税非適用に関する商品リストとなっています。
2022 年に、国務院より「対米国・カナダ関税課税に関する 8 回目の不適用延長に関する商品リスト公告(税委会公告 2022 年第 7 号)」が公布され、リスト掲載商品の報復関税非適用期限を 2023 年 2 月 15 日としていましたが、これを、2023 年 9 月 15 日まで延長することを告知する公告です。