【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.173

2022-08-05

【中国ビジネス・トレンド】

■  新型コロナ既感染者の中国渡航前の検査要件緩和

2022 年 6 月 17 日の弊社会員様向け会報第 262 号でお伝えした通り、商業目的(M ビザ)・駐在目的(Z ビザ)共に、省級政府機関の招聘状(PU)が免除される、隔離機関が短縮されるなど、外国人の中国入国管理規制が緩和されています。これは、日本出国時の手続きも同様で、特に、既感染者の検査要件も緩和されていますので、概要について解説します。

1.過去の手続(既感染者)

過去には、感染歴がある方に対しては、感染歴がない方に要求される検査や手続の前に、肺部検査(CT/X 線)と 2 回の PCR 検査を受け、その診断証明や陰性証明書を、駐日本中国大使館の専用メールアドレス宛に提出し、事前審査を受けることや、完治確認後にさらに 2 か月の健康観察を行うことが要求されていました。
これらの厳しい措置が、肺部検査(CT/X 線)については 2022 年 5 月 31 日から不要となり、メールでの事前審査も 2022 年 5 月 30 日より停止されています。
また 2022 年 7 月 1 日からは、完治からの健康観察期間も 2 か月から 14 日に大幅に短縮されました。

2.2022 年 7 月 1 日からの手続(既感染者)

(1)完治確認

任意の検査機関で 24 時間間隔を空けて、2 回の PCR 検査を行い、検査証明書を取得します。採取方式は問われず、同一機関での検査も可とされています。
2 回の PCR 検査が共に陰性の場合、完治とみなされます。

(2)未感染者と同様の手続

完治確認で行った 2 回目 PCR の検体採取日より、最低でも 14 日間の健康観察を行い、期間中異常がなければ、下記の未感染者と同様の検査、健康コードの申請を行います。
健康コード申請時に、完治確認で行った 2 回の陰性証明書も併せて添付が必要となります。
以前は既感染者に対して肺部検査(CT/X 線)やメールでの事前審査が要求されていましたが、上述の通り現在は不要となっています。

なお、感染歴がない方に要求される手続は、出発 2 日以内の 2 回の PCR 検査(1 回目:搭乗予定日の 2 日前、2 回目:出発時刻の 24 時間以内、何れも検査機関に指定あり)、健康コードの申請となります。
※2022 年 7 月 1 日から出発時刻の 12 時間以内の「迅速抗原検査」は不要となっています。

各手続の詳細は中国大使館ホームページをご参照ください。

3.中国入国後の管理措置

上海市政府ホットラインに確認したところ、上海到着後の隔離措置などについては既感染者と感染歴がない方の区別はなく、6 月 30 日午前 0 時より、7 日間の集中隔離+ 3 日間の自宅健康観察が適用されています。また同日より自宅健康観察に対する「一人一戸」という条件はなくなっていますが、固定住所がない場合はホテルなどを手配する必要があります。

水野コンサルタンシーグループ