【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.111

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【中国ビジネス・トレンド】

**華東ビジネス・トレンド
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華東地域（上海市、江蘇省、浙江省）の最近のビジネストピックスを、地方通知などを踏まえてご紹介します。

1．上海市人民政府
『外資企業の投資を更に促進する事に関する若干の意見（滬府規[2019]37 号）』

2020 年 1 月 1 日から施行される『中華人民共和国外商投資法』に対応し、上海市政府が市内の各区政府、関係する委員会、弁公室に対し公布した、「外国資本の投資を促進するための政策指令」です。

以下の 3 つのテーマで、合計 26 項目の指令とその責任部署が提示されています。

１）対外開放の更なる拡大
「外資への国民待遇供与の際のネガティブリスト管理」、「自由貿易試験区、臨港新片区への投資自由化、利便化」、「新興産業、生産性サービス業奨励、産業構造レベルアップ、技術改造」などの 5 項目

２）外国資本の更なる呼び込み
「外資投資促進の業務メカニズムの完全化」、「四者一体（政府部門、専門機構、商業協会、企業）の投資呼び込み」、「投資促進サービスプラットフォーム構築」、「国際輸入博覧会を介した外国企業投資誘致」、「外国人材優遇」など 13 項目。

３）外国企業の合法的権利の更なる保護
「経営環境法治業務メカニズムの確立」、「外資企業に対する人材資源、資金、土地使用権、政府資金投入、税収優遇、政府指定購入等の公平な待遇」、「外資企業の訴訟、紛争解決、合法な経営、移転、登記などの障害除去」などの 8 項目

本意見は 2019 年 9 月 16 日から施行されています。

原文
http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw2319/nw12344/u26aw62669.html

2．国家外貨管理局
『適格外国機関投資家（QFII、RQFII）の投資限度額制限を取消し、金融市場の対外開放を拡大』

適格外国機関投資家（Qualified Foreign Institutional Investors）と人民元適格外国機関投資家（RMB Qualified Foreign Institutional Investors）に対する投資限度額の取消しに関する国家外貨管理局の事前発表です。

国務院の批准自体は 9 月 10 日に終わっていますが、取消しに関連する全ての行政許可項目が国務院で批准された後、国務院からまとめて公布される予定です。

公布後は、適格条件を満たす外国機関投資家は行政許可の取得が不要となり、登録手続きをするだけで、海外資金（外貨、RQFII は海外調達人民元も）を中国証券市場に投入することができます。

原文
http://www.safe.gov.cn/shanghai/2019/0920/1140.html

3．江蘇省生態環境庁
『2019 年汚染物排出許可証申請に関する補充通告』

『汚染物排出管理弁法（環境保護部令 48 号、2018 年 1 月 10 日）』に対応して、江蘇省は 2019 年 1 月 14 日に『2019 年汚染物排出申請業務に関する通告（蘇環弁[2019]9 号）』を公布していました。
この通告では、排出許可証の審査発給部門、許可証申請が必要な業種範囲、申請の手順、申請期限などのほか、「許可証申請必要業種一覧表」が示されていました。
今回の通告は、この 1 月の通告に対する補充通告です。

汚染物排出許可証取得の義務がある全ての固定汚染源企業に対し、排出許可証申請を所在地の審査発給部門に行い、2019 年末までに審査発給を終わらせるよう通告しました。

対象地区は、1 月通告から変化無く、南京市、無錫市、徐州市、常州市、蘇州市、南通市、連雲港市、淮安市、塩城市、揚州市、鎮江市、泰州市、宿遷市の 13 市。

許可証取得が必要な企業は、
１）「固定汚染源汚染物排出許可分類管理目録（2017 年版）」の中に記載された 33 分野の合計 82 業種

２）上記１）以外に、管理目録の第六条に規定された条件に該当する企業
（第六条規定とは、具体的には下記のいずれかに該当する企業）
・省、市の「重点汚染物排出企業名簿」に記載された企業
・二酸化硫黄、窒素酸化物の排出量が単一で年間 250 トンを超える企業
・煤塵や粉塵などの浮遊粒子状物質（SPM）が年間 1,000 トンを超える企業
・ 排出物の化学的酸素要求量（Chemical Oxygen Demand）が年間 30 トンを超える企業
・アンモニア性窒素、石油類、揮発性フェノールの合計排出量が 30 トンを超える企業
・その他、単一の有毒有害な大気や水汚染物の汚染当量が 3,000 を超える企業（汚染当量数値は『中華人民共和国環境保護税法』の規定に従って計算）

通告原文
http://hbt.jiangsu.gov.cn/art/2019/9/19/art_1571_8715557.html

「固定汚染源汚染物排出許可分類管理（業種）目録（2017 年版）」原文
http://www.mee.gov.cn/gkml/hbb/bl/201708/t20170803_419132.htm

「2019 年汚染物排出許可証申請に関する通告」原文
http://hbt.jiangsu.gov.cn/art/2019/1/14/art_1571_8002222.html

4．江蘇省発展改革委員会、省工業・情報化庁
『電気料金差別化政策でエコ発展を促進することに関する通知（蘇発改価格発[2019]846 号）』

国家発展改革委員会が 2018 年 6 月に公布した『イノベーションとエコ発展の促進のための価格メカニズムに関する意見（発改価格規[2018]943 号）』に従い、江蘇省の電気料金の差別化政策を完全化する目的で公布された通知です。

要点は下記の通りです。
１）電気料金差別化の執行範囲の明確化
・電力消費が国家規定及び江蘇省の単位製品の電力消費限度額を超えた企業に対し、懲罰性電気料金を課す。

・工業情報化部が公布した『高エネルギー消耗の老朽機電設備（製品）淘汰目録（第 1 目録から第 4 目録まで）』に示された老朽機電設備、及び『高エネルギー消耗の老朽電信設備淘汰目録（第 1 目録）』（2014 年第 26 号）、『高エネルギー消耗の老朽通信設備淘汰指導目録（第 2 目録）』（2016 年第 43 号）に示された老朽電信設備に対し差別化電気料金を課す。

２）更に厳格な差別化電気料金政策の実行

＜懲罰性電気料金＞
・電力消費限度額に対し 1 倍以内の超過：現行料金＋ 0.10 元/kwh
・電力消費限度額に対し 1 倍を超える超過：現行料金＋ 0.30 元/kwh
・上記の限度超過企業が 2 年以内に設備改善をしない或いは改善不足の場合：上記の料金加算額を、各々＋ 0.15 元/kwh、＋ 0.35 元/kwh に値上げ修正。

＜淘汰類設備への差別料金＞
・国家が淘汰指令した高エネルギー消耗設備：現行料金＋ 0.30 元/kwh
・1 年を超えて設備改善をしない或いは改善不足の場合：＋ 0.50 元/kwh

３）差別化電気料金の動態管理の実施

通知原文
http://fzggw.jiangsu.gov.cn/art/2019/9/25/art_284_8721136.html

『イノベーションとエコ発展の促進のための価格メカニズムに関する意見（発改価格規[2018]943 号）』原文
http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/gfxwj/201806/t20180629_891044.html

『高エネルギー消耗の老朽機電設備（製品）淘汰目録（第 1 目録から第 4 目録まで）』原文
第 1 目録：
http://www.gov.cn/gzdt/2009-12/20/content_1492272.htm
第 2 目録：
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057542/n3057546/c3634258/content.html
第 3 目録：
http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1146592/n3917132/n4061768/n4061782/n4061783/n4061785/c4170375/content.html
第４目録：
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057542/n3057546/c5153133/content.html

『高エネルギー消耗の老朽電信設備淘汰目録（第 1 目録）』（2014 年第 26 号）原文
http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1652930/n4509607/c4512418/content.html

『高エネルギー消耗の老朽通信設備淘汰指導目録（第 2 目録）』（2016 年第 43 号）原文）
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057542/n3057544/c5218120/content.html

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