5. 来料加工無償提供設備課税

2013-11-27

5. 来料加工法人転換時の無償提供設備の課税

関連法規:来料加工廠の法人転換に関する設備輸入税収に関する問題の通知
(財関税[2009]48 号)
公布日時:2009 年 7 月 16 日
施行日時:2009 年 7 月 1 日(遡及適用)
(原文)http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=108864

2009 年 7 月 16 日に、税関総署より「来料加工廠の法人転換に関する設備輸入税収に関する問題の通知(財関税[2009]48 号)」が公布されています。
これは、来料加工廠の法人転換(主に、進料加工を行う独資への転換)に際して、無償提供設備により現物出資する際の税収問題を規定したものです。
法人転換に関わる無償提供設備の手続に付いては、昨年公布された、広東省のガイドライン(来料加工企業が同一場所で生産を停止せずに転換するための操作指南:粤外経貿加字[2008]7 号)にも規定されていましたが、そこでは、輸入段階の課税についての扱いは明確にされておらず、今回、手続の明瞭化が図られたという事ができます。

1.通知の内容と広東省のガイドラインの違い

来料加工廠の無償提供設備(所有権は、加工を委託する外国企業に留保されている)を、新設法人に現物出資する場合、その設備が税関監督期間(5 年)を経過していれば、監督解除に際して、輸入段階の関税・増値税を、改めて払う必要はありません。
では、5 年未経過の場合はどうでしょう。
昨年公布された広東省のガイドラインでは、この輸入段階の課税に付いては明記されておらず、結果として、新設企業が奨励分類企業である場合(免税枠が有り、設備転廠の手続が取れる場合)を除き、輸入関税・増値税の納付が必要でした。
勿論、5 年未経過分に対する課税になりますので、輸入当時の設備価額全体に課税される訳ではありませんが。
今回公布された通知の内容は、以下の通りです。

  1. 2008 年末前に加工貿易を登録し、且つ、2009 年 6 月末までに輸入通関を行った無償提供設備により現物出資を行う場合、2011 年 6 月末までに現物出資を行う場合は、(輸入後 5 年未経過であっても)輸入段階の関税・増値税を免除する。

また、現物出資後も、監督期間は連続して計算する事ができる。

  1. 2009 年 1 月 1 日以降に登録を行った加工貿易契約に関連する無償提供設備、及び、加工貿易契約の登録は、2008 年末以前であるものの、設備の輸入が 2009 年 7 月 1 日以降である場合、新設企業が奨励分類・中西部優勢項目に該当場合を除き、輸入関税を徴収する。

2.今回の通知の意義

1-2)は、今年の増値税改定により、来料加工廠が輸入する際に、既に、増値税が課税されている設備が対象になっています。
この場合は、現物出資時に、(増値税は既に課税されているので)輸入段階の関税が課税される事になります。関税額は、5 年未経過分(3 年使用済であれば、輸入時の関税評価額の 2/5)に対して課税される筈です。
1-1)は、対象となる無償提供設備は、増値税法改定前(改定後でも、経過措置期間内)に輸入されたもので、輸入時に増値税が課税されていない設備です。
この様な設備は、2011 年 6 月末までに、独資転換(現物出資)をする場合に限り、新設企業が非奨励分類であっても、輸入時の関税・増値税を免除する事を認めるものです。
従来は(広東省のガイドラインに基づく対応)、転換後の企業が奨励分類である場合に限定して免除が認められましたので、今回の通知は、それ以上の優遇措置を認めていると言って良いでしょう。
尚、1-1)の対象となる設備(輸入時に増値税を課税されていない設備)を、2011 年 7 月 1 日以降に現物出資する場合は、(理論上)新設企業が奨励分類の場合を除き、5 年未経過分に対して、輸入段階の関税・増値税が課税されるものと予想されます。