【Mizuno-CH中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.61

2022-03-08

【中越ビジネスマニュアル 第 61 回】

■  会社登記と住所の関係について

中国・ベトナムで、会社を設立する場合、実際に不動産物件を購入・賃借する必要があるのでしょうか。

1.中国

<1>オフィスの原則

中国では、原則としてペーパーカンパニーを認めていませんので、物理的なオフィスが必要です。形式は、賃借でも購入でもよいのです が、一般的には、デスク2つ以上と電話がある事が要請されています。これは、会計法で、会社には経理担当者と出納担当者が必要であり、兼務が禁止されてい るため、この様な要件になっています。

<2>グループ企業賃借物件の登記

中国では、長らく、一住所一組織の方針が取られており、一つの住所(一つの不動産権利書発行単位)に一社しか、会社登記が認められませんでした。よって、 グループ会社の賃借物件に登記することの可否については、その物件が、一住所しかなければ不可、複数の住所に分割できる場合は登記可能ですが、大家(賃貸 人)に、契約書を分割してもらう必要がありました。ただ、その状況が、2014 年の商事登記制度改革以降、変わってきています。商事登記制度改革では、全 体方針は、中央政府が出していますが、規制緩和の内容は、市によって異なります。

上海市の場合は、直接・間接で 100%の出資関係がある会社(親子会社・兄弟会社)は、同一住所を使用することが認められます。同一住所に登記できる会社 数に制限はありませんが、一社の面積が、10 平方メートル以上である必要があります。

広東省は、2014 年以降、同一住所使用に関する規制緩和が、他地域よりも進んでいました。例えば、深センでは、同一住所使用に関し、資本関係も、面積 も、登記できる組織数にも制限はありません。上海では、同一住所使用に関して(契約分割は不要ですが)大家の同意書が必要ですが、深センでは、それも不要 です。ただし、同一住所に登記された会社が多い場合(おおむね、5社以上)、市場監督局が現場調査を行い、経営実態の有無を確認します。経営実態がない (ペーパーカンパニー)と判断される場合は、経営異常リストに掲載されるなどの罰則があります。

2.ベトナム

<1>オフィスの原則

ベトナムでも、原則としてペーパーカンパニーを認めていませんので、物理的なオフィスが必要です。形式は、賃借でも購入でもよいので すが、一般的には、自社で占有している特定のデスクが1つ以上ある事が要請されています。シェアオフィスによっては、自社のデスクが特定されておらず、 シェアオフィスを利用する他社の利用状況により、空いているデスクを使用する形態もありますが、この場合は自社で特定のデスクを占有している状態ではない ので、外資企業の場合、登記は認められません。他方、内資企業に関しては、登記に際して賃貸借契約書の提出も求められませんので、ペーパーカンパニーが登 記されている可能性は否定できません。

<2>グループ企業賃借物件の登記

ベトナムでは、グループ会社の賃借物件に登記するためには、大家(賃貸人)に、契約書を分割してもらう必要があります。ただし、物理的にデスクを2つ以上 設置できないような広さの物件では認められません。また、グループ会社から転借するという方法も考えられますが、グループ会社が不動産業の登記をしていな いと転貸は認められませんので、事業活動を行えない駐在員事務所が転貸を行うということは不可能です。さらに、不動産業の法定資本は 200 億ドン(約1億 円)以上必要ですので、この条件を満たさない限り転貸という選択肢を採ることはできません。

以上