【Mizuno-CH中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.31 (2019年11月20日発行)

2019-11-28

【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.31 (2019 年 11 月 20 日発行)

【中越ビジネスマニュアル 第 31 回】

中国・ベトナムにおける個人所得税について

中国・ベトナムに駐在して給与を取得する際に課税される、個人所得税の概要について解説します。

【中国の場合】

中国の個人所得税法は、2019 年1月1日に改定され、減税措置が実施されました。

<1> 所得からの控除と税率

賃金給与に対しては、3~ 45%の超過累進課税が適用されます。

また、税額は年度計算となりますが、外国人・中国公民ともに、年間6万元(月平均 5,000 元)の基礎控除が認められます。

また、「子女教育、継続教育、大病医療、住宅ローン金利、住宅家賃、老人扶養」の名目での、付加控除が認められます。

なお、外国人に対しては、金額にかかわらず家賃負担の非課税措置、その他の優遇が認められていますが(国税発[1997]54 号)、この措置については、2021 年度までの継続が認められており、それ以降は、上記特別付加控除制度に吸収されると予想されています。

<2> 納税実務

個人所得税計算自体は年度計算ですが、雇用者に対しては、毎月、翌月 15 日までに、源泉徴収納付をする事が義務付けられています。

中国の課税年度は暦年ですので、その期間の源泉徴収納付額と確定税額に差がある場合は、翌年3月1日~6月 30 日の期間内に確定申告を行います。

確定申告は、追加納付だけでなく、還付申告も可能であることが、「個人所得税自主納税申告に関する問題の通知(国家税務総局公告 2018 年第 62 号)」に規定されています。

<3> 課税対象所得

中国に居住する外国人の場合、課税年度での中国居住が、満 183 日以上であれば全世界所得、未満であれば中国源泉所得が課税対象となります。

ただし、中国国内に住所を有さず、満 183 日居住が連続6年未満の場合、国外源泉所得に対する課税免除を申請できます。また、その期間内に、連続 30 日超過の出国があれば、6年のカウントはリセットされます。

なお、(これは国際課税の前提で、中国に限定した事ではないですが)所得源泉は、「どこで支給を受けたかではなく、何の対価として所得を得たか」が判定のポイントになりますので、たとえ日本で支給を受けていたとしても、中国駐在の対価としての報酬の受領であれば、中国源泉所得となります。

【ベトナムの場合】

ベトナムの個人所得税法は、2012 年 11 月 22 日に公布された個人所得税法の一部条項の改正補足法(No.26/2012/QH13)以降は、大きな変更点はありません。

<1> 所得からの控除と税率

賃金給与に対しては、5~ 35%の超過累進課税が適用されます。

外国人・ベトナム人ともに、月額 900 万ドンの基礎控除が認められており、被扶養者一人当たり 360 万ドンの扶養控除も認められています。ただし、男性の労働年齢は 18 歳から 60 歳、女性は 18 歳から 55 歳と定められており、被扶養者の年齢がこの年齢の範囲内ですと、原則として扶養控除は認められません。

また、源泉徴収される強制保険も控除対象となりますので、日本で源泉徴収されている厚生年金、健康保険、雇用保険もその対象となります。

なお、会社が負担する、ベトナムで就労する外国人子女への教育費は、非課税対象となります。また、会社が負担する被雇用者の家賃は課税対象ですが、家賃を除く課税所得の 15%を超過する部分は非課税対象となります。

<2> 納税実務

雇用者は、源泉徴収額に対して、月次、または、四半期での申告・納付が義務付けられています。原則は、四半期申告となりますが、前年度売上高が 500 億ドン超、かつ、1カ月当たりの源泉徴収額が 5,000 万ドン以上の場合は、月次申告となります。また、ベトナム国外にて所得を有する場合は、納税者個人での四半期申告が求められています。確定申告は、原則として、暦年末日から 90 日以内に行う必要があります。

<3> 課税対象所得

ベトナムに居住する外国人の場合、課税年度でのベトナム居住が、満 183 日以上であれば全世界所得が課税対象となります。満 183 日未満であれば、原則として、ベトナム非居住者としての扱いになりますので、ベトナム源泉所得が課税対象となり、超過累進税率は適用されず、一律 20%が課税されます。

以上


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