トップ  >  中国における税関事前裁定制度の運用 執筆日:2018年9月1日

中国における税関事前裁定制度の運用

中国において、税関事前判定の根拠となるのが「税関事前裁定管理暫定弁法(税関総署令2017年第236号)」と「税関事前裁定管理弁法(税関総署公告2018年第14号)、以下、14号公告」ですが、その運用を解説します。

1.税関事前裁定制度

236号弁法に定める事前裁定制度とは、貨物の輸出入者が、貨物の輸出入前に所管税関に、以下の内容に関する事前裁定を申請する制度です。

1)輸出入貨物のHSコード

2)輸出入貨物の原産地・原産資格

3)関税評価額の算定方法(ロイヤルティ、コミッション、輸送費、特殊関係の有無など、関税評価額に関係ある内容の判定)

4)税関規定に基づくその他の手続

HSコードの事前裁定制度は以前より有りましたが、これを、原産地、関税評価額の算定方法等にも広げたのが、236号の意義です。

但し、既に実施されている税関によるHSコード判定制度に付いては、申請しても、十分な回答が来ないケースが多いのが実情で、企業は、HSコード判定会社(税関から権限付与された企業)に判定を依頼するのが一般的です。

それが、この制度変更により、どの程度改善されるかという点に付いては、(制度開始より半年強が経過しましたが)現時点では、依然として不透明です。

因みに、HSコード判定会社の判定は、税関システムに記録され、税関と共有されますので、公的な判断に近い位置付けとなりますが、それでも、税関が異なる判断を下した場合は、税関の判断が優先します。

2.事前裁定申請

14号公告では、事前裁定申請手続に付いて、以下の通り定めています。

① 貨物の輸出入者が申請者となる。

② 輸出入予定日の3か月前までに、会社登記地の所管税関に裁定申請を提出する。

  申請方法は、「税関事務連絡システム(QP系統)」、若しくは、「互联网+税関(税関の

  HP)」で申請します。つまり、実際の窓口申請ではなく、インターネット申請となります。申請時に、商品の名称、規格、性能指標、用途、成分、写真などの詳細資料を提出する必要があります。

③ 税関は、申請から10日以内に、この申請を受理するか否かを決定します。

  受理した場合、税関は、税関関連法規に基づき審査し、「税関事前裁定決定書」を公布します。決定内容は、企業機密を除き、インターネット上で公開されます。

3.事前決定

税関事前裁定決定書は所管税関より発行され、その有効期限は3年間となります。

尚、2017年7月1日より実施された税関一体化により、HSコード、関税評価額判定等に関する事項は、以下の分類に基づいて、京津・上海・広州の租税徴収管理センターが、全国の判定を行う事となっています。

● 京津

農林類、食品類、薬品類、軽工業類、玩具類、紡績類、航空機類等(税関分類1章~24章、30章、41章~67章、88章、93章~97章、3461類を含む)

● 上海

機電設備、輸送機等(税関分類84-87章、89-92章、2286類を含む)

● 広州

化学原料、高分子、エネルギー、鉱産物、エネルギー、金属等(税関分類25-29章、31-40章、68-83章、2800類を含む)

事前裁定は、所管税関が行う事となっていますが、その判定と租税徴収管理センターとの関係に付いては、税関にもヒアリングをしていますが、有効な回答が得られない状況です。

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