トップ  >  会社法改正が外資企業に与える影響 掲載日 2014年9月4日

掲載日 2014年9月4日
会社法改正が外資企業に与える影響

2014年3月1日に会社法(公司法)が改定され、資本金規制が大幅に緩和されました。
では、この規制緩和は、外資企業にどの様な影響を与えるのでしょうか。

1.会社法の改定

改定の主要な内容は、以下の通りです。
① 最低資本金の廃止(26・59・81条の改定)
有限公司3万元、一人有限公司10万元、株式会社500万元と規定されていた最低資本金制度が廃止されます。

② 資本金払込み期限の廃止(26条・81条の改定)
初回20%以上、全額を会社設立の日から2年以内(投資性公司は5年以内)と規定されていた資本金払込み期限が廃止されます。

③ 現金出資比率の撤廃(27条の改定)
最低30%と規定されていた現金出資比率が撤廃されます。

④ 出資証明作成義務の廃止(29条の過程)
資本金払込み証明を義務付ける条文が削除されます。

⑤ 資本金払込み額の登記義務撤廃(7条の改定)
営業許可証から資本金払込み額の記載が免除されます。

2.外資企業に対する影響

上記変更の内、外資企業に関する影響は、以下の通りとなります。

最低資本金額の規制緩和(①)に付いては、実務上は、影響はないと思われます。
外資企業の資本金は、「総投資と資本金の比率(中外合資経営企業の登録資本金と総投資の比率に関する暫定規定、工商企字[1987]第38号)」、「会社法の規定」、「業法の定めがある場合は、その最低資本金」の内、最も大きな金額で設定されます。
よって、業法に定める最低資本金規制が無い場合は、総投資と資本金の比率か会社法(有限責任会社の場合は3万元)の何れかが基準となりますが、総投資と資本金の比率で計算した金額の方が、通常、会社法の規定よりも大きくなりますし、仮に、比率で導かれた金額が3万元以内であった場合でも、設立認可時に一定金額の設定を行う様、行政指導が行われます。
この結果、筆者の知る限り、3万元の資本金で設立を許可された外資企業は無く、この基準が引き下げられたとしても、実務上の影響は無いと推測されます。

次に、資本金払込み期限(②)です。
中国の外貨管理制度上、資本金口座の資金は、使用時にならないと換金ができないため(匯綜発[2008]142号)、使用予定の無い資金を払い込むと、為替リスクを抱え込む事になります。その意味でも、払込期限の撤廃はありがたい事と言えます。

外資企業の資本金払込みルールは、以前は会社法に定めるものと、三資企業法(外資企業法・中外合資企業法・中外合作企業法)に定めるものの2種類がありました。会社法の規制緩和が先行して実施されましたが、その後、「一部の行政法規に関する廃止と修正の国務院決定(国務院令第648号)」により、三資企業法の資本金払込み期限に関する内容も改定、削除されました。その結果、外資企業についても資本金の払込期限、現物出資比率、出資方法等に関する自由化が実現しました。

現金出資比率制限(③)は、会社法にのみ記載されているものですので、会社法の改定によって、規制緩和が実現します。

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