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掲載日:2010年1月15日
生産型企業と商業企業の増値税輸出還付手続と注意点

増値税の輸出還付手続は、生産型企業と商業企業では異なっており、業態に合わせて、計算方式・還付手続を選択する事になります。
生産型企業と商業企業の増値税輸出還付の概要と、実務に当たり注意する点を下記します。

1.輸出還付方式の違い

増値税の輸出還付計算方式は、商業企業と生産型企業では異なっています。
各々の還付方式は、以下の通りです。

1) 商業企業(販売・貿易会社)
増値税の輸出還付方式は、商業企業の場合は、国内仕入と輸出貨物を対応させ、仕入に際して還付率を乗じて、還付額を計算します(仕入額x還付率=還付額)。
例:100で国内仕入した貨物を、200で輸出した場合で、還付率が13%の場合。
仕入時の増値税支払額は17(17%)。
輸出時の還付請求額は、100x13%=13となり、増値税負担額は4となります。

因みに、国内仕入と輸出が、一対一で対応しない場合(仕入れたものを分割して輸出する場合)は、税務局で分割輸出の許可(分割単)を取得する必要があります。
尚、輸出価格が仕入価格を考慮して低い場合(税務局が一定の基準を設定しています)は、還付が認められない場合があります。

2) 生産型企業
生産型企業の場合は、国内調達(原材料)と輸出(製品)の形状、数量が異なる事から、仕入増値税額と輸出製品を一対一で対応させる事が出来ない為、「免税・控除・還付方式」を採用して輸出還付計算を行います。
つまり、輸出FOB価格を元に、還付しない額(不還付額)を算出し、これを限度に仕入増値税を還付する方式です。
還付しない額(不還付額)は、「輸出FOBx(課税率-還付率)」で計算されます。
例:100で国内仕入した貨物を、200で輸出した場合で、還付率が13%の場合。
仕入時の増値税支払額は17(17%)。
不還付額は、200x(17%-13%)=8
輸出時の還付請求額は、17-8=9となり、増値税負担額は8となります。

因みに、進料加工企業の場合は、不還付額の対象が、輸出FOB金額ではなく、中国で付いた付加価値に減額されますので(一般輸出に比較して優遇される)、不還付額は以下の計算となります。
不還付額=(輸出FOB-免税輸入原材料)x(課税率-還付額)
例:100で輸入した貨物を、200で輸出した場合で、還付率が13%の場合。
仕入時の増値税支払額は17(17%)。
不還付額は、(200-100)x(17%-13%)=4
輸入時には保税措置が享受できますので、輸出時には還付請求ではなく、上記不還付額の4を納税する事になります。
勿論、国内原材料仕入れを行っている場合は、支払済増値税は、輸出還付の対象となります。

3) 商業企業と生産型企業の兼業
外資商業企業と生産型企業の兼業が、「商資函[2005]第9号」により認められており、実例も増えています。
ただし、(経営許可上、二種類の営業許可を取得した場合でも)増値税計算方式は、商業型か生産型の、何れか一種類の選択が義務付けられます。
兼業の場合、通常は、生産型企業の増値税計算を選択する事になりますが、この場合、他社製品(自社の製造工程を通していない製品)を輸出した場合、増値税の輸出還付が受けられなくなります。

2.国内販売と見なされる輸出

以下の輸出貨物に関しては、輸出であるにも拘らず、国内売上と見做され、販売に関する増値税が課税されます(国税発[2006]102号)。
仕入増値税に付いては、みなし売上増値税との控除が可能です。

  1. 輸出還付が認められない貨物(輸出還付税率が0%の貨物)。
  2. 輸出企業が規定された期限内に税還付を申請しなかった貨物。
    輸出通関日より90日以内に輸出還付申告を行わない場合。
  3. 一定期間内に輸出申請は行ったが、期限内に証憑書類を提出できなかった貨物。
  4. 輸出企業が規定された期限内に「代理輸出貨物証明」を発行申告しなかった貨物。
    輸出企業が代理輸出を行った場合、輸出申告日より60日以内に「輸出貨物通関申告書(輸出税還付専用)」、「代理輸出協議書」を主管税務機関に提出した上で、「代理輸出貨物証明」を受領し、輸出委託先企業に転送する事が求められています。
  5. 生産型企業が輸出する4種類の自社生産製品と見なされる製品を除くその他の外部から購入した貨物。
    生産型企業の自社生産性品と見なされる4種類の製品と言うのは、「輸出還付に関する若干の問題の通知(国税発[2000]165号)」に規定される、以下の製品です。
    • 自社製品と名称、性能が同一で、且つ、自社商標を使用した製品。
    • 外部から購入し、自社製品と組み合わせて輸出する製品
    • 集団企業(若しくは、総工場)の製品で、輸出還付の適用を主管税務機関に許可された製品。
    • 委託加工を行い回収した製品。
    本来、生産型企業は他社製品の取扱が認められておらず、また、他社製品を輸出した場合の輸出還付も認められていませんが、上記の4種類に関しては、自社製品の取扱と見なして、輸出還付を認めるのが上記の趣旨です。
    それ以外の製品を輸出した場合は、輸出還付が適用されないだけでなく、輸出に対しても、増値税の課税対象取引とみなされるという、特殊な対応が行われる事になります。

    3.ユーザンス取引の注意点

    ユーザンス輸出を行う場合(代金回収が、輸出通関日より180日以上となる取引)を行う場合、輸出企業は、貨物の輸出後、所管の外貨管理局で「ユーザンス外貨回収届出」を行う必要があります。
    代金回収期日より30日以内に代金回収を行い、核銷手続(輸出に関する外貨回収の登録)を行えば、外貨管理局より「ユーザンス外貨回収登録証明書(遠期収匯備案証明)」が発行され、これを税務機関に提出れば、増値税の輸出還付が受けられます(国税発[2006]168号)。
    尚、外貨回収期日より30日を超過しても、所定の手続を行わない場合は、国内販売とみなして課税されますので、注意が必要です。

    4.輸出還付申請の手続と必要書類

    増値税輸出還付手続は、生産型企業と商業企業で、各々以下の通り定められています。

    <生産型企業>

    1) 必要書類
    「生産企業輸出貨物免税・控除・還付申告総括表、及び付表(生产企业出口货物免、抵、退税申报汇总表及附表)」 3部
    「生産企業輸出貨物免税・控除・還付申告明細表(生产企业出口货物免、抵、退税申报明细表)」 2部

    2) 提出資料
    a. 輸出貨物還付(免税)申告に関わる電子データ(出口货物退[免]税正式申报电子数据)。
    b. 輸出通関証明(出口货物报关单[出口退税专用])。
    c. 輸出核銷証明(出口收汇核销单[出口退税专用])。ユーザンス輸出(輸出後180日超の回収)の場合は、ユーザンス証明(远期收汇证明)。
    d. 輸出発票(出口发票)
    e. 進料加工の場合は、以下の資料を提供。
      1)生産企業進料加工当期申請表(生产企业进料加工登记申报表)
      2)生産企業進料加工進料原材料申告明細表(生产企业进料加工进口料件申报明细表)
      3)生産企業進料加工税関当期手冊核銷申請表(生产企业进料加工海关登记手册核销申请表)
      4)生産企業進料加工免税証明(生产企业进料加工贸易免税证明) f. 代理輸出形式の場合は、業務委託を受けた貿易会社の主管税還付機関が発行した「代理輸出貨物証明(代理出口货物证明)。
    g. 消費税の課税対象貨物の場合は、消費税納税書(消费税税收[出口货物专用]缴款书)、若しくは、輸出貨物納税分割単(出口货物完税分割单)。

    3) 手続の期限
    輸出企業は、輸出通関の日(輸出貨物通関証明[輸出還付税専用]に記載された輸出日)から、90日以内に、所管税務局の輸出還付部門で、免税・控除・還付申請をする必要があります。

    <商業企業>

    1) 必要書類
    「外資企業輸出還付に関わる仕入貨物明細報告書(外贸企业出口退税进货明细申报表)」2部
    「外資企業輸出還付に関わる輸出明細申請表(外贸企业出口退税出口明细申报表)」2部
    「外資企業輸出還付総括申告表(外贸企业出口退税汇总申报表)2部

     

    2) 提出資料
    a. 輸出貨物還付(免税)申告に関わる電子データ(出口货物退[免]税正式申报电子数据)。
    b. 輸出対象貨物の購入時の増値税専用発票(增值税专用发票[抵扣联])、若しくは、増値税専用発票分割申告書(增值税专用发票分批申报单)。
    c. 税関印のある輸出貨物通関証明(出口货物报关单[出口退税专用])。
    d. 外貨管理局核銷済との印のある輸出核銷証明(出口收汇核销单[出口退税专用])。
    ユーザンス輸出(輸出後180日超の回収)の場合は、ユーザンス証明(远期收汇证明)。
    e. 消費税の課税対象貨物の場合は、消費税納税書(消费税税收[出口货物专用]缴款书)、若しくは、輸出貨物納税分割単(出口货物完税分割单)。
    f. 貿易会社に代理通関を委託する場合は、代理輸出貨物証明(代理出口货物证明)、及び、代理輸出協議書(代理出口协议)。

    3) 手続の期限
    輸出企業は、輸出通関の日(輸出貨物通関証明[輸出還付税専用]に記載された輸出日)から、90日以内に、所管税務局の輸出還付部門で、還付申請をする必要があります。

    以上

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