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掲載日:2009年12月31日
上海税務セミナーQ&A

上海市税務局との共同勉強会の内容を下記します。

問1 税務申告自己点検と税務調査

1.背景

企業に対する税務上の自己点検の要請が、各地の税務局から出されているが、この背景は何か。
企業が適切に申告納税をしていないという認識を税務局が持っているという事か。
若しくは、税収確保の為の短期的な措置か。

<税務局の回答>

背景は二つある。
一つは、2008年の金融危機による景気停滞に伴う税収落ち込み。
もう一つは、税制改正(企業所得税・増値税・営業税)、及び、課税方式変更・課税強化政策(サービスに関する課税、非居住者課税、特別納税調整)に伴い、実態把握を行う必要が生じた為である。

2.対応

自己点検要請に付いてはどう対応すべきか。
自己申告を行う事で、遡及期限を一定の年数に限定できるのであれば、企業としても積極的に活用の余地があろう。
例えば、個人所得税の申告が過少であった場合等、年数が長期に渡ると、修正したくても、影響が大きすぎて容易に修正できない場合がある。
自己申告をする事で、3年間の遡及に限定する事はできるか。

<税務局の回答>

不申告・過少申告の原因として、「税法に定められているにも拘らず、意図的に納税者が適切な申告を行っていない場合」、若しくは、「税法に定めがあるものの、実務的手続上の問題によって、申告額が適正でない場合」に分かれる。
何年の追徴を行うかは、不申告・過少申告の原因が、上記の何れかによるものかを精査した上で、判断を行う。
自己点検により自発的に申告を行った場合も、原則として同様の観点で判断を行うが、意図的なものか否かを判断するに当たり、(自発的な申告を行った場合は)考慮の余地はある。

<水野の補足>

租税徴収管理弁法・第52条では、時効に付いて、以下の通り定めている。

  1. 税務機関の責任による未納付または過小納付。
    3年間分の追徴が可能(滞納金は免除)。
  2. 納税者・源泉徴収義務者の錯誤による未納付・過少納付。
    3年間分の追徴が可能(滞納金徴収有り)。
    但し、特殊な状況があれば、5年間の追徴が可能。
  3. 脱税等意図的な未納付・可能納付に付いては、時効無し。

3.今後の観測

今後、税務調査が本格化するのか、若しくは、年内で終息するのか。 今年は、課税強化の動きが明確であった様に思うが、今後の徴税管理は強化の方向が維持されるのか。

<税務局の回答>

今年の調査は、一定の成果を達成した。
ただ、同時に、徴税上の問題・課題(過少申告の事実の判明等)も明確になったので、来年以降も継続される可能性が高い。
自己点検制度は、過去には毎年実施されていたが、外資企業に対しては、ここ10年程度実施が殆ど行われていなかったもの。
既存の制度が再開したと考えて欲しい(新しい徴税管理制度ではないという事)。

問2 日本払い人件費送金に対する課税

1.背景の説明

1)外貨管理上の問題
日本企業の社員が中国現法に出向となる場合、中国・日本の双方で給与が支払われるのが通常。日本で支払われる人件費に付いても、中国現法が負担する事が原則になる為(日本の税務上の問題)、この部分に関する対外送金(中国現法⇒日本本社)が必要となる。
2002年に、この送金が禁止される動きがあり(立替金の送金が中国の外貨管理上認められない為)、その後、地方により対応が異なっている。
⇒ 当月内であれば送金を認める地域(上海・北京・広州等)、一切の送金を認めない地域(深圳等)に分かれる。
この送金規制問題が、今年になって再燃している。

2)税務上の問題
匯発[2009]64号により、US$ 3万/回を超過する非貿易項目の送金を行う場合は、税務局での事前申請が義務付けられた。
⇒ 「日本法人が立て替えた給与の返金」とすると、立替金の決済に該当し、外貨管理上、送金が認められなくなる。
一方、労務費として申請すると、(本来とは別の名目で送金を行う事になるので)と送金は可能となるが、送金時に、改めて企業所得税・営業税が課税される。

2.質問事項

1)上海でのこの問題は解決済みと考えてよいか。
⇒ 中国現法が送金する場合でも、個人所得税課税済給与の送金として、対外送金が従来通り可能となると考えてよいか。

<税務局の回答>

上海では、課税済課税済人件費の精算送金という名目での送金が認められている為、送金に際しての課税問題は生じていない。
この様な送金が認められていない地域がある様で、この場合、外貨管理局が何の名目で送金を認めるか(どの様な名目で送金が実施されるか)がポイントになり、それに応じて課税するか否かが決まってくる。
税務局側の立場としては、人件費の支払が行われる場合、「雇用契約に基づいて支払われるのであれば、賃金給与として課税する」し、「役務契約に基づいて送金するのであれば、役務費として課税する」するというもの。
他地域で送金に際して課税が要求されるのは、日本法人と中国現法間の送金を実現する為に、役務契約に基づく送金、という名目が取られたからであろう。

2)大連等では、P/E認定の問題が生じていると聞いている。
情報が正しいかどうか分からないが、送金額に対して25%の企業所得税課税要求があるという声も聞くが、これが正しいとすれば、送金額全額に対して25%の税率を課税するのはtoo muchだと思うがどうか。

<税務局の回答>

水野の言う通り、送金額に対して25%の課税というのは理論的ではない。
25%の企業所得税率を適用するのであれば、経費控除を認めるべきであり、通常は、見なし利益率を適用する。

<水野の補足>

1)P/E認定が行われない場合は、企業所得税法第3条第3項、第4条及び、企業所得税法実施条例第91条に基づいて、10%の企業所得税が課税(企業所得税法第4条に20%と規定された税率を、実施条例第91条で10%に軽減)。
同時に、営業税暫定条例では、中国内を源泉とした役務に対しては、5%の営業税課税が義務付けられるので、対外送金時の源泉徴収は15%。 ⇒ 従来は、14.5%であったが、財税[2008]130号により、営業税控除が認められなくなったので、現在では15%の課税率。

2)P/E認定される場合
P/E認定される場合は、中国に拠点があるものと見なされ、見なしP/Eの所得に対して、企業所得税・営業税が課税される。
但し、企業所得税法第8条に、企業が取得する収入に関係する合理的な支出(原価、費用、税金、損失)は控除が認められる点が 規定されている為、送金額税額を課税所得と考えるのは不適切と考える。
控除可能な支出が合理的に算定できない場合は、見なし利益率を採用するべきと考えるが。
「企業所得税課税所得率の調整に関する通知(国税発[2007]104号)」による見なし利益率。
● 農林水産業 3~10%、 製造業5~15%、卸売・小売業4~15%、物流・運輸業7~15%、
建築業8~20%、飲食業8~25%、娯楽業15~30%、その他10~30%

3)中国現法でなく、個人が送金手続を行うのであれば、この様な問題は生じないと考えるが、その理解でよいか。
⇒ 全額の給与を中国で受取り、個人所得税申告の上、個人が自身の日本口座に送金を行う方法。

<税務局の回答>

その理解でよい。
個人が個人所得税納税済の資金を送金するのであれば、改めて課税される事はない。

問3 非居住者課税方針

1.非居住者の役務提供に関する課税

非居住者の請負工事と役務提供の税収管理暫定弁法(国家税務総局令2009年第19号)が公布されている。施行は2009年3月からだが、実際の施行状況はどうか。
⇒ 実際に税務登記を行っている非居住者はいるのか。

<税務局の回答>

既に、税務申告をしている非居住者実例が少なからずある。

<水野補足:19号公告の内容>

1)適用対象
中国内で請負工事(建築、据え付け、組み立て、内装、修繕、装飾、調査)、役務提供(加工、修理、輸送交通、倉庫保管、経営コンサル、設計、文化体育、技術サービス、教育教練、旅行、娯楽その他のサービス)を行う非居住者(第3条)。

2)適用対象となった場合
該当する契約を結んだ場合、契約書の締結から30日以内に所管税務局に登記し、役務が終了した場合15日以内に登録抹消を行う事が義務付けられる(第5・6条)。
税務登記後、非居住者は企業所得税の申告納税(四半期予納・年次確定申告)を行うと共に、完工時の精算を行う必要あり(第12条)。

2.公告の対象となる役務期間

非居住者が税務登記を義務付けられ、申告納税を義務付けられるというのは、P/E認定に他ならないと考える。
とすれば、この公告の対象となるのは、日本企業の場合、日中租税条約に基づいて、連続する12ヶ月に、6ヶ月超の役務提供を行う場合に限定されると考えてよいか。

<税務局の回答>

19号公告の趣旨は、「中国内で役務契約を行う行為に関する登記の義務付け」と考えて欲しい。
役務提供を行うに当たっての手続の一つである。
その上で、P/E認定するかどうかは、役務提供の実態に応じて判断する。 よって、6ヶ月超の役務でなくても、19号公告に該当する役務を行う場合、税務登記は必要である。

<水野補足:租税条約等の関連規定>

1)日中租税条約第5条第3項
建築工事、建設、組み立て、据付工事、若しくはこれらに付随する監督活動は、6ヶ月を超える期間存続する場合に限り、恒久的施設とする。

2)日中租税条約第5条第5項
一方の締約国の企業が、他方の締約国の企業に於いて、使用人その他の職員を通じてコンサルティングサービスを提供する場合、この様な活動が単一の工事、または複数の工事について、12ヶ月の間に合計6ヶ月を超える期間行われる場合に限り、当該企業は当該他方の締約国に恒久的施設を有するものとされる。

3)日中租税条約・議定書
日中租税条約第5条第5項の規定に拘わらず、締約国の企業が提供するコンサルティング役務が、「機械及び設備の販売または賃貸に関連するものである場合」は、役務提供期間に拘わらず、恒久的施設を有するものとはされない。
注:「日中租税条約とその議定書の条文解釈に関する通知(国税函[1997]429号)」には、上記の議定書の趣旨は、国際貿易・リースの振興であって、この例外規定の対象となるコンサルティング役務とは、販売・リース関係のコンサルティングに限定されると規定されている。

3.対象となった場合の影響

従来通り、派遣人の個人所得税のみの問題か、本格的なP/E課税に発展するのか。
現時点では、P/E認定された場合でも、その影響は個人所得税課税に留まり、企業所得税・営業税には発展していないケースが殆ど。
⇒ 企業所得税・営業税は、役務費に対する15%の源泉徴収課税のみで、納税金額の修正は実施されていない。

<税務局の回答>

19号公告はサービスフィー(非貿易項目)に対する課税強化を趣旨としている。
よって、少なくとも現時点では、機器販売+据付役務の提供を行った場合でも、課税の範囲は原則として役務部分に対する源泉徴収納税の管理と考えてもらって良い。

<水野の補足:P/E認定の影響>

設備機械の輸出に際して、機器販売と据付役務を切り離して行う場合が、上記回答の前提。
例えば、機器販売価額が1,000、据付役務が100とした場合、機器販売は、事業所得(P/E無ければ課税無し)として、中国では課税されない。 一方、役務費に対しては、15%(企業所得税10%・営業税5%)の源泉徴収課税が行われる。

これが、P/E認定された場合、機器販売取引も中国での課税対象行為となる為、1,000+100=1,100全体が課税対象となるのではないか、という質問を行ったもの。
⇒ この場合、1,100に対して見なし利益率(8~20%)を適用して見なし利益を算定した上で、企業所得税(25%)と営業税(1,100x3%)が課税される。

これに対して、税務局の回答は、19号公告の趣旨は、役務費(100)に対する課税強化であり、契約上切り離された機器部分に対する課税に発展するものではないというもの。

<水野の補足:P/E認定と個人所得税の関係>

長期の技術者派遣等を行った場合、みなしP/E認定が行われ、個々の出張者の滞在日数が、たとえ暦年183日以内でも、個人所得税課税認定を受けるケースが増えている(2005年頃より)。
ただし、この場合でも、企業所得税・営業税に付いては、(15%の源泉徴収課税が行われている為)それ以上の納税金額の修正は実施されていない。

この様にP/E認定が個人所得税課税に結び付く理由は、以下の通り。
1)非居住者の個人所得税課税は183日ルール。
183日ルールは、中国に住所を定めず、報酬全額が中国外で支払われている場合に限り適用される(報酬の一部が中国内で支払われている場合、この部分に付いては183日ルールが適用できない)。
2)「国税発[1994]148号」では、中国の看做しP/E(分枝機構)が、査定利益課税方式で課税されている場合、関連している人員の給与の一部(中国滞在に応じた日数)は、P/Eが負担していると看做す事を定めている。
よって、P/E認定が、個人所得税課税に結び付く(給与の一部、中国滞在日数に対応する部分はP/Eが負担していると看做されるため、183日ルールの対象外となり滞在日数が183日以内であっても個人所得税が課税される事となる)。

問4 董事報酬

非居住者が中国法人の董事となっている場合は、個人所得税の納税義務はどうなるか。
租税条約では、董事報酬は、会社所在地に課税権がある事が定められているので、董事報酬をもらっていれば納税義務があると判断するが、中国法人から報酬を受け取っていない場合はどうか。
中国法人が、非居住者に対して董事報酬を支払った場合は、中国で納税義務がある事は言を待たないが、全額日本で支払われている様な場合は、どうなるのか。

<税務局の回答>

非居住者が中国法人の董事を務める場合の算式は、1994~2009年に幾つかの税務通達が出され、課税方式が明確にされている。
独立董事(企業から雇用されていない登記)に付いては、国内外での報酬支払額と、中国滞在日数を考慮して、課税金額を算定する。
一方、雇用された董事(企業に雇用されている個人が、中国の現地法人の董事を務める場合)は、2009年の通知に基づいて、賃金給与として報酬を扱う。
よって、183日ルールが適用される。

<水野の補足>

(1) 董事報酬に関する課税根拠
1)日中租税条約(第16条)
一方の締約国の居住者(日本居住者)が、他方の締約国である法人(中国の企業)の役員の資格で取得する役員報酬その他これに類する支払金に対しては、当該他方の締約国(中国)において租税を課することができる。 ⇒ 中国法人の董事になっていれば、董事報酬に関しては、滞在日数に関係なく中国で納税義務が生じる事となる。

2)国内法
●中国国内に住所を有しない個人が個人所得税を計算納付する事に関する若干の具体的問題の通知(国税函発[1995]125号)による計算式。
董事、高級管理職員の報酬に関し、国内及び国外で支払われ、且つ、国外で役務提供した日がある場合の計算方法として、以下を規定。

(計算式)
納税額 =(当月の給与総額 x 適用税率-速算控除額)x(1-A)

   当月国外支払給与    当月国外労働日数
A =  ----------------   x  ------------------
     当月給与総額         当月日数

☆ 個人所得税法では、董事報酬は、労務報酬としてとして課税することを規定しているが、この公式だと、賃金給与に準じた課税となっている。
注:労務報酬の場合は、都度毎の収入の20%を基礎控除とした上で(4,000元を超えない場合は800元)、20%の税率を適用して個人所得税額を算定(個人所得税法第6条4号)。
受け取る役員報酬の課税所得(基礎控除後)が、2万元を超過する場合に、税率の調整が行われる。具体的には、2万元超~5万元以下の部分に付いては、納税額計算後の金額を5割増しで課税し、5万元を超過する部分に付いては、10割を加算してする(個人所得税法実施条例第11条)。

「個人所得税執行に関する若干の問題を明確にする通知(国税発[2009]121号)」。
会社に雇用されている場合(親会社等のグループ企業の雇用を含む)、及び、董事の肩書はあるものの、実際の機能が現場管理(総経理業務)である場合は、受取る報酬の実質的な位置付けに注目して、董事報酬としてではなく、賃金給与として課税する事を規定。

☆ 雇用された個人がグループ企業の董事を務める場合は、その報酬は、賃金給与として扱われる。
よって、非居住者の場合は、183日ルールが適用され、中国で報酬をもらっていなければ、暦年滞在日数が183日以内であれば、中国内で納税をしなくてもよい。。
当該通知により、実態に合わせたルール整備が行われたと言って良い。

問5 中国外で提供された役務

設計、中国外で収拾した情報の提供など、非居住者が中国外で役務を提供して、対価を中国から受け取る場合、企業所得税・営業税の源泉徴収免除が認められる可能性があるか。
また、何か判定の基準があるか。
⇒ 海外に対するコミッションの送金をする場合は、役務が中国外で行われている事が、比較的明確なので、企業所得税・営業税の免税措置の適用が受けやすいと考えてよいか。

コンサルティング役務の場合はどうか。
役務が全て中国外で提供されている事を証明できれば、免税許可が取れるか。
証明は難しいか。

<税務局の回答>

2009年の営業税暫定条例により、中国より役務費の支払が行われる場合は、一律、中国を源泉地とする事になった。
よって、特別の免税規定がある場合を除き(租税条約に基づく国際運輸費、政府機関の融資金利等が典型例)、所得源泉判定の問題は生じず課税対象となる。
企業所得税に関しては、役務実態に基づき判定する。
完全に中国外で役務提供が行われた事を証明できれば、中国での企業所得税は免除され得る。

問6 増値税輸出還付

増値税の輸出還付率には、今後変更が予定されているか(暫く、還付率引き上げの方向であったが、今後はどうなるのか)。

<税務局の回答>

貿易額の改善は実現してきたものの、まだ、本格的な回復には至っていない。
この状況で、輸出還付率の引き下げは実施しにくいし、現時点では、還付率の大掛かりな調整が行われるという具体的な動きはない。

問7 設備輸入増値税

進料加工を行っている場合、設備を輸入する際に多額の増値税支出が発生する。
その後、生産・販売(輸出)が開始した場合、輸出が大半なため、売上増値税が少額になるが、設備購入時に支払った増値税の還付・控除はどの様な形で行われるのか。

<税務局の回答>

設備購入の際に支払った増値税も、免税・控除・還付の計算過程に入れるべきもの(他の支払増値税と、特段の区別は行なっていない)。 計算結果が、還付ポーションになれば、還付は実施する。

<水野の補足>

生産型企業の増値税計算方式(免税・控除・還付)は、以下の算式による。
納税額 = 売上増値税-仕入増値税+(輸出FOB-免税輸入原材料)-前月繰越額

生産型企業が設備投資を行った場合、多額の設備購入に伴う増値税が発生し、多額の増値税還付ポーションになるケースが想定される。
この様な場合でも、単純に計算式を適用して、還付請求を行う事ができるのか。
設備購入に関する増値税納税額であるから、運用上特殊な扱いを受ける事がないかを質問したもの。結果として、「計算式の結果通り対応する」という回答であった。

問8 保税開発区におけるP/E認定

非居住者(日本企業)が、保税開発区でVMIオペレーションを行う場合、原則としてP/E認定はされないと考えるが、その理解でよいか。
非居住者課税回避の為に、何か注意点はあるか。

<税務局の回答>

租税条約の規定に基づき判断すればよい。

<水野の補足>

日中租税条約第5条により、以下の行為はP/Eを構成しないと規定されている。

  • 企業に属する物品、または商品の保管、展示、または引き渡しのためにのみ施設を使用する事。
  • 企業に属する物品、または商品の在庫を、保管、展示、または引き渡しのためにのみ保有する事。

VMIを行う場合は、区内の物流会社を活用するが、これは、原則として、独立した地位を有する代理人となるので、代理人P/Eにも該当しないと思われる(注)。
注:一方の締約国の企業は、通常の方法でその業務を行う仲立人、問屋、その他の独立の地位を有する代理人を通じて事業活動を行っているという理由のみでは、恒久的施設を有するものとはされない(日中租税条約第5条)。

よって、VMIオペレーションを行うに当たり、「長期間の出張者の派遣」、「保税区内の物流会社に恒常的な代理署名権の行使の許可」等を行わなければ、P/E認定はされないというのが、税務局の回答。

以上

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