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掲載日:2010年1月15日
固定資産の加速度償却・減価償却年限の短縮に関する通知

文件:企業の固定資産の加速度償却の税務処理に関する問題の通知
(国税発[2009]81号)
公布:2009年4月16日・施行:2009年1月1日

企業の固定資産に関する加速度償却・減価償却年限の短縮に関する、審査・適用手続を規範化する通知が公布されています。

1. 公布された通知の内容

企業の加速度償却・減価償却年限の短縮に付いては、「企業所得税法」第32条、及び「実施条例」第98条に規定されていますが、具体的な申請手続を規定する通知が公布されていませんでした。
それが、今回の通知により、加速度償却適用の為の手続が明確化された事になります。
この通知(及び、企業所得税法第32条)には、企業が生産経営に用いる、主要な固定資産が、以下の状態にある場合は、減価償却年限の短縮、若しくは、加速度償却の方法を採用する事ができると規定されています。
● 技術の進歩により、早い期間の製品の更新が必要な場合。
● 常に強度の振動、高度の高腐食状態に置かれる場合。

加速度償却を採用する場合は、200%定率法、若しくは、級数法の適用が認められます。
共に、日本で採用されている方法と同じです。

1)200%定率法
1を使用年限で割ったものを2倍して、その比率を乗じて減価償却額とする方法(名前から誤解されがちですが、定率法の率を2倍する訳ではありません)。

例えば。10年の使用年限の場合は、
1÷10(年)X200%=20%の率を採用。
簿価x20%が償却額になります。

2)級数法
以下の方法で取得時期に近い年度の償却額を多くしていく方法(定率法と似たような効果がでる方法です)。

初年度
(固定資産原価-残存価値)x10/(10x11)÷2
固定資産原価 1,000 残存価値 50の場合は、
950x10÷55=172

二年度
950x(10-1)÷55=155

尚、加速度償却の方法・減価償却の短縮を行う場合は、以下の考え方で年数を算定します。
ただし、最低減価償却年数は、企業所得税法実施条例60条に定められる減価償却年限(例:設備の場合は10年)の60%を下回る事ができません。
● 企業が同種類の、若しくは、類似の効能を持つ固定資産を使用した経験はないが、「企業所得税法実施条例」に基づいて、当該固定資産の予想使用年限の短縮を十分に証明できる場合、企業は当該固定資産の予測使用年限と、本通知の規定に基づいて、固定資産の減価償却年限の短縮、若しくは、加速度償却の方法を決定する。
● 企業が、元々有する固定資産が、「企業所得税法実施条例」に規定する最低償却年限以前に、旧資産を、機能が同じ、若しくは類似の新品の固定資産に交替する場合、企業は、旧固定資産の実際の使用年限、及び、本通知の規定に基づいて、新固定資産の償却年限短縮、若しくは、加速度償却方法を決定する。

2. 加速度償却・償却年限短縮の手続

企業が加速度償却・年限短縮を要する固定資産を購入した場合、購入後1カ月以内に、所管税務機関に以下の資料を提示の上、届け出を行う必要があります。
● 固定資産の効能、年限短縮の理由等を記載した証明資料と状況説明書
● 採用した固定資産の償却方法の説明
● その他
税務機関は、事後に調査を行い、加速度償却・年限短縮の条件に合致しないと判断した場合は、償却方法の変更を指示する事になります。

3. 旧税法との関係

外資企業に対しては、旧税法(外商投資企業及び外資企業所得税法)に基づき、「強度の振動、高度の腐食状況にある設備」、「日夜稼働状況にある設備」、「合作企業終了後に、中方パートナーに無償譲渡される合作企業の設備」に付いては、償却年限の短縮が認められていました。

内資企業に対しては、「国税発[2003]113号」により、特定条件下の設備の加速度償却が認められていました。
ただし、実務的には、認められる方法は、加速度償却方法のみで、減価償却年限の短縮は、許可取得が困難な状況にありました。

今回の通知では、減価償却年限短縮の条件、加速度償却適用の方法と手続を、比較的詳細に規定していますので、これにより、状況がどの様に変化するかが注目されるところです。

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