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掲載日:2008年9月3日
中国機構が一部の人件費を負担する非居住者の個人所得税の計算方法(個人所得税)

183日ルールは、中国と租税条約を締結した国の居住者が、中国に出張ベースで業務を行う場合の課税権の判定に使用されるものです。
これは、(中国非居住者の)居住国の機構が給与を負担している場合、つまり、中国の機構が出張者の給与を負担していない事が前提となった判定方式であり、中国の機構が一部でも給与を負担する場合は、183日ルールの適用対象外になり、日数に拘らず中国に課税権が生じます。
では、この様な場合(中国の機構が非居住者の人件費の一部を負担した場合)、どの様な課税を行うかに付いて、以下、解説します。

  1. 90日(183日)ルールの意義
    非居住者が、中国で出張ベースにより業務を行う場合があります。
    この様な場合、原則として90日(国内法)・183日(租税条約)ルールにより、中国での納税義務が判定される事となります。
    つまり、暦年での中国滞在日数が、90日以内(租税条約締結国の居住者の場合は183日以内)の場合は、居住地国のみに課税権を認め、中国での個人所得税納税義務を不要とするルールです。但し、これは、飽くまでも中国の機構が、その出張者の人件費を負担しない場合に適用されるルールであり、国内機構が人件費の全額、若しくは一部を負担する場合は、滞在日数に拘わらず、その部分については、中国で納税義務が発生する事が、租税条約にも中国の国内法にも規定されています。
    但し、人件費の一部を国内機構が負担する場合、基礎控除や課税所得計算をどの様に行うかについて、以前は扱いが十分明確になっておらず、外国人の基礎控除(現在は4,800元/月)より若干多い金額を現地手当として国内機構に負担させ、その金額から基礎控除を適用した残額(極めて少ない金額)を、個人所得税の課税対象としている例が少なからず見受けられました。
    それが、2004年に「中国内に住所のない個人に対して租税協定及び個人所得税法を施行するにあたっての若干の問題に関する通知(国税発[2004]97号)」が公布され、この様な場合の対応が明確にされました。
  2. 規定による計算方法
    今回の規定では、国内機構が、人件費の一部を負担する短期滞在者の場合は、以下の算式で個人所得税を算出する事を明確にしています。

    納税額 =
                        当月国内支払給与   当月中国内労働日数
    (当月給与総額x適用税率?速算控除額) x ------------------------- x --------------------------
                         当月給与総額   当 月 日 数

注:速算控除というのは、個人所得税計算の簡便計算方式の過程で使用される控除金額です。
つまり、個人所得税は超過累進課税である事から、所得の段階により異なった税率が適用されます。これを、個別の税率で計算していくのではなく、一旦、最高税率で計算した上で、超過額(本来低い税率が適用される部分との差額)を一括控除する方法を、速算控除法と言います。

この計算式の意義は、以下の通りです。

  1. まず、国内機構が負担している部分だけではなく、給与総額(中国内外で受け取っている給与の総額)をベースに、個人所得税を計算する。勿論、この段階で、基礎控除を考慮します。
  2. その上で、国内機構の給与負担比率、中国労働日数比率を乗じる事により、個人所得税額を確定させる。

つまり、国内機構が負担する給与額が基礎控除の範囲内でも、個人所得税の納税が必要になる、という事になります。

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