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【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.57( 2015年10月22日発行)




  • 【中国ビジネス・会計税務情報】「非居住納税人の租税協定待遇享受管理弁法」に関する解説




◎【中国ビジネス・会計税務情報】



「非居住納税人の租税協定待遇享受管理弁法」に関する解説

今回のメルマガは、2015年8月27日に国家税務総局により公布された、「非居住納税人の租税協定待遇享受管理弁法(国家税務総局公告2015年60号)」 (以下、「管理弁法」)について解説いたします。

非居住者が租税協定に定められた待遇を享受するにあたり、その適用対象、審査認可申請対象、届出申請対象、申請書類、継続管理、法的責任などについては、 2009年に公布された、「非居住納税人の租税協定待遇享受管理弁法(試行)(国税発「2009」124号)」(以下、「試行管理弁法」)に規定されてい ます。
この「試行管理弁法」が09年に公布されてから6年を経て、正式な管理弁法として公布されたのが今回の「管理弁法」となります。
適用対象や申請手続きなどについて変更がありましたので、詳細をご説明いたします。



一、適用対象の拡大

09年の「試行管理弁法」では、適用対象条項として、租税協定の国際運輸条項が除外されていましたが、今回の「管理弁法」では、国際運輸協定の適用が対象に含まれています。
「管理弁法」の適用対象は主に以下となります。

■ 国際運輸(空運、海運、陸運等を含む)→追加内容
■ 独立個人役務(自由職業の所得)・非独立個人役務(勤務に対する報酬)
■ 政府サービス(公務遂行に係る報酬)・教師及び研究人員(教育または研究に係る報酬)
■ 学生条項
■ 恒久的施設・事業所得
■ 配当・利子・特許権使用料・退職年金
■ 財産収益・芸能人・スポーツ選手
■ その他の所得

二、手続きが全て届出制へ

「試行管理弁法」では、租税協定待遇を享受するための事前手続きが、所得の内容によって届出制と審査許可制に分かれていました。
今回の「管理弁法」により、全ての所得が届出制へ変更となっています。審査許可制から届出制に変更された所得は下記の通りです。

■ 配当・利子・特許権使用料・財産収益

三、申請書類の簡素化

「管理弁法」では、租税協定の待遇を享受するための届出申請に必要な書類が、以下の通り規定されています。

■ 「非居住納税人税収居住身分証明情報報告表」(国税局指定フォーマット)
■ 「非居住納税人租税協定待遇享受状況報告表」(国税局指定フォーマット)
■ 租税協定適用に関する身分証明
 (国際物流業の場合は居住地国の運輸主管部門が発行した法人証明で代替ができる)
■ 所得に係る契約書、協議書、董事会或いは株主総会決議、支払証憑等の所有権証明
■ その他の書類

そのうち、同じ届出申請事項に関する申請書類の重複提出が簡素化されています。
独立個人役務(自由職業の所得)・非独立個人役務(勤務に対する報酬)・政府サービス(公務遂行に係る報酬)・教師及び研究人員(教育または研究に係る報 酬)・学生条項については、申請する情報に変更がない限り、初回申請時の提出書類を同一税務局へ再提出することが免除されます。

恒久的施設・事業所得・国際運輸・配当・利子・特許権使用料・退職年金については、申請する情報に変更がない限り、初回に提出した年度から3年以内は、既に提出した書類を同一税務局へ再提出する必要がありません。
他の財産収益・芸能人・スポーツ選手等の届出申請は、その都度に申請書類を提出する必要があります。

四、過大納付した税金の還付

租税協定の待遇を享受できる非居住納税人がその待遇を享受していなかった場合、非居住納税人の申請により過大納付額について還付することが可能であると、「試行管理弁法」、「管理弁法」に規定されています。

「試行管理弁法」
・申請期間:納付日より3年以内
・審査期間:規定なし

「管理弁法」
・申請期間:税収徴収管理弁法に規定された期限内⇔現行では納付日より3年以内
・審査期間:税金還付申請が受理された日より30日以内

過大納付した税金は申請・審査を経て還付可能となっていますが、「税収徴収管理弁法実施細則」第78条の規定により、同期間の預金利息を加算することはできません。

五、潜在リスクについて

審査許可制から届出制への変更により、租税協定の待遇を享受できるかどうかについては、非居住納税人が自ら判断することとなります。よって、届出申請の際 に、「管理弁法」に規定された申請書類を揃えて提出すれば、即時に租税協定の待遇が享受できますが、その後の税務調査等により改めて否認されるリスクがあ ります。

配当金・利子・特許権使用料等について、日本への支払いは、日中租税協定と中国国内法(企業所得税法実施条例第91条)ではいずれも制限税率が10%と同 じなので特に問題ないですが、ケイマン諸島・香港等のペーパーカンパニーへの支払いについては、税率が低くなるため注意が必要です。
租税協定の「受益所有者」地位の判定基準に関する規定は国税函「2009」601号がありますが、本来であれば受益所有者ではないにもかかわらず、租税協定待遇を享受している場合、税務局の重点調査の対象になると思われます。

当60号公告は2015年11月1日より施行されます。



「非居住者納税人の租税協定待遇享受管理弁法」
(国家税務総局公告「2015」60号)・中文原文:
http://hd.chinatax.gov.cn/guoshui/action/GetArticleView1.do?id=1521450&flag=1



以上

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