7.転廠(深加工結転)

加工貿易企業間で、保税貨物を移送する制度。
根拠規定:「加工貿易保税貨物の税関区を跨いでの深加工結転に関する管理弁法(税関総署[2004]第109号)」。・失効


2014年に、「加工貿易貨物監督管理弁法の改定(税関総署令2014年第219号)」、「加工貿易貨物監督管理弁法の執行関連問題に関する公告(税関総署公告2014年第21号)」、「一部の規則の改定に関する税関総署の決定(税関総署令2014年第218号)」の施行等、一連の加工貿易に関する制度変更が行われ、転廠に関する税関許可は不要となり、税関での備案となった。
また、税関総署[2004]第109号は失効となった。
よって、以下の内容(価格差の可否等)に付いては、法律上は不透明な状況にあるが、それ以前の管理に基づき解説する。

転廠取引の当事者

転廠は、「加工貿易企業間の保税形態での貨物の国内移動」を認める制度。
⇒ 加工貿易企業間で保税貨物を国内転送する制度。
但し、転廠前に、転入・転出側双方で、税関の許可の取得が必要であり、(貨物は国内移送されるが)輸出・輸入通関手続きが行なわれる。

よって、転廠の当事者(下図のC・D)は中国の加工貿易企業、具体的に言うと、来料加工であれ進料加工であれ、加工貿易契約の当事者企業である必要がある。
⇒ 貿易権がない加工企業等が、中国内の貿易会社経由で加工貿易契約を結ぶ事があるが、この場合は貿易会社が契約当事者となる。
何れにしても、来料加工・進料加工の契約当事者のみが、転廠の当事者にもなれるという事であり、それ以外の企業(商社会社等)が、中国内で転廠に介入する事はできない。

外国企業A  ⇒100⇒  外国企業B   <外国(香港・マカオ含む)>
 ↓ ↑         ↓  ↑
 90 100         100 110
↓  ↑         ↓  ↑  <中国本土>
加工企業C  →100→  加工企業D
      (転廠契約)

転廠取引の価格差制限

転廠関連規定(税関総署・第109号)では、転入価格と転出価格の一致を要求している。
つまり、図の例では、「CからAへの製品輸出価格」、「AからBへの販売価格」、「BからDへの提供価格」の3者が、全て100で一致する事を意味している。
加工貿易企業(C・D)が進料加工企業であれば、有償での輸出入が行われるため、当然、Cの輸出とDの輸入価格を100とする必要がある。
来料加工企業は、無償取引だが、税関に参考価格を記載したインボイスを輸出入に際して提出する必要があり、インボイス価格を同様に一致させる必要がある。
また、転廠に際しては、中国の加工貿易企業間(転出企業・転入企業間)で、転廠契約を結ぶ必要があり、この転廠契約の価格も100とする必要がある。
よって、外国企業Aは、製品販売段階では利益を確保できなお(調達段階で確保する)。
一方、外国企業Bは、完成品の販売段階でしか利益を確保できない。

更に、外国企業A・B社の間に商社が入っている場合は、この商社は利益確保ができない。
この様に、転廠を行うと価格決定の弾力性がなくなる為、敢えて転廠を行わずに、香港等に一旦輸出して、再輸入する方法(所謂、香港一日遊)が採用されるケースが少なからずある。

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