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掲載日:2014年9月1日
中国におけるPE課税の経緯

PE(Permanent Establishment=恒久的施設)認定とは、非居住者の営業拠点が国内にあると、税務上認定する事を言います。
租税条約にはPEの定義が含まれていますが、その原則的な考え方は、通常は、どの国の租税条約でも極端な違いはありません。但し、PE認定事例は、国によって特徴・傾向がみられます。

以下、過去の経緯を踏まえた上、中国のPE認定事例の特徴と傾向を3つのステージに分けて解説します。

1.駐在員事務所のPE認定

日中租税条約では、活動内容が補助的行為に限定される場合、PEとは認定されない事が規定されています。
但し、1980年代中盤に、一部の駐在員事務所の活動範囲が補助的業務の範囲を超えている(契約署名、見積書の発行などの行為を行っている)と見なされ、PE認定を受けました。
この結果、経費課税方式(経費額を元に見なし利益を算定し課税する方式)により、企業所得税・営業税(当時は工商統一税)が課税される様になりました。
この様な課税が開始されて以降、経費課税の対象となる駐在員事務所が増加していきました。

2.出張者派遣に関わるPE認定

2005年頃より、中国への出張者派遣(中国への出張者派遣と役務費徴収)に伴うPE認定が開始されました。
日中租税条約では、相手国で、連続する12ヶ月に6ヶ月を超過するコンサルティング役務の提供を行えば、PE認定を受ける事が規定されていますが、これに基づく認定です。
ただ、このPE認定は、本来の目的である企業所得税ではなく、個人所得税の徴税を目的とした変則的なものです。
国税発[1994]148号では、「中国内の機構が企業所得税を納税していない、若しくは、見なし課税方式で企業所得税を納税している場合は、関連する人員の人件費は、当該機構が負担していると見なす」事を規定しています。
この結果、出張者派遣によりPE認定を受けた場合、出張者の人件費が中国内で負担されていると見なされるため、183日ルールが受けられなくなり(183日ルールの前提は、中国内で給与が負担されていない事)、滞在日数に応じた個人所得税が課税されるものです。

3.出向者派遣に関わるPE認定

2013年から開始された新しいPE認定の類型です。
国家税務総局公告2013年第19号では、親会社から派遣された出向者に、中国現地法人社員としての実態が無い場合(継続して親会社の支配下にあり、現地法人が、趣向者に対して指揮命令権を行使できない場合等)、出向者としての立場を否定し、PE認定する事を規定しています。
この結果、出向者人件費等をベースとして、経費課税の方法で、企業所得税・営業税・付加税(城市建設税・教育費賦課等)が、親会社に対して課税される事になります。
現段階では、税務調査により、この様なPE認定が行われる事例は見受けられず、日本払い人件費の精算送金のための備案を税務局に申請した段階で、出向契約・その他の資料の検査を受け、認定を受ける形になっています。
この為、出向契約の見直し、社内制度(辞令、人事評価制度等)の見直しなどを、図る事が望ましいと言えます。

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駐在員の日本払人件費の決済 掲載日:2014年9月1日
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