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掲載日:2008年9月3日
租税条約における利子項目の優遇に関する通知

租税条約においては、前回解説した恒久的施設の定義の他に、配当・利子・使用料等の源泉徴収税率の軽減、その他の内容が規定されています。
中国が締結した租税条約では、利子に関する源泉徴収税率は、通常、10%以内と規定されていますが、特定の融資に関しては、源泉徴収免除等の優遇が規定されています。
この様な優遇に関する運用通知(租税条約利子条項の実施関連問題に関する通知:国税函[2006]229号)が、2006年3月1日に国家税務総局より公布(同日施行)されていますので、その内容を以下解説します。

1.日中租税条約の扱い

事業所得は、相手国に恒久的施設(Permanent Establishment)が無い限り、相手国での課税が免除されますが、一方、配当・利子・使用料等の投資所得は、P/Eが無くても、通常、源泉徴収の形で相手国での課税が行われます。
日中租税条約においては、利子の源泉徴収税率は、「10%を超えない」と規定されていますが、以下の融資から生じる利子については、課税免除が規定されています。

  • 他方の締約国の政府、当該他方の締約国の地方公共団体、当該他方の締約国の中央銀行又は、当該他方の締約国の政府が所有する金融機関が取得するもの。
    及び、当該他方の締約国の政府、地方公共団体、中央銀行、又は、当該他方の締約国の政府が所有する金融機関による間接融資に関わる債権に関し、当該他方の締約国の居住者が取得するもの。

つまり、例えば日本から中国に対する融資を前提とすると、日本の政府・地方公共団体・中央銀行・政府系銀行が行う中国居住者に対する融資、若しくは、日本企業等(居住者)が、これらの政府機関からの借入を原資として(Back to backで)、中国居住者に対して行う間接融資に関しては、中国側で、利子に対する源泉徴収が免除される事になっています。

2.上記通知の内容

上記通知は、上記の免税措置に関する実務運用面を規定していますが、その内容は、以下の通りです。

  1. 全ての租税条約における利子条項で規定する、締結相手国の中央銀行、政府系金融機関、或いはその他の組織が、我が国で取得した利子は、我が国で免税となり、上述の銀行(機構)は毎回貸付契約締結後、利子発生地の主管税務機関に対し、関係協定の優遇措置の申請を行う事が出来る。利息発生地の主管税務機関は、申請者に対し利子所得税の免税手続を行わなければならない。納税者が利息所得税の免税申請を行う際には、締結相手国の税務主管当局が提供する、納税者が属する政府系銀行または金融機関の証明及び関係する貸付契約の副本を併せて提出しなければならない。
  2. 全ての租税条約に関する条文、議定書、会議録及び交換文書等に既に列記されている、我が国で利子所得が免税される締結相手国の具体的な銀行、金融機関については、納税者が本通知第一条の規定に従い、利子所得税免税の手続を行い、関係契約書の副本を併せて提出すればよいものとする。
  3. 利子発生地の各税務機関が、納税者から租税条約規定に従い利息所得免税申請を受けた際には、条約の規定を正確に実施し、迅速に対処しなくてはならない。実施に際し、列記された銀行の名称変更や、銀行の組織改革等の状況が起こり、納税者が上述の免税待遇の資格があるかどうか不明で、実施上困難又は異議が発生した場合は、国家税務総局に報告・確認しなくてはならない。
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