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掲載日:2008年9月3日
租税条約における恒久的施設(P/E)の定義の解釈に関する通知

恒久的施設(Permanent Establishment)というのは、国内課税上、(事業所得の)納税義務の判定を行うに当たって、重要な概念となりますので、租税条約には、必ずその定義が規定されています。2006年3月14日に、国家税務総局は、「租税条約の恒久的施設認定等の関連問題に関する通知(国税発[2006]35号)」を公布し、恒久的施設の考え方に関する若干の解釈を行っています。

1.恒久的施設の意義

恒久的施設とは、簡単に言うと、「外国企業の営業拠点」と言う事ができます。
租税条約では、外国企業の事業所得(企業の事業活動から生じる所得)は、国内に恒久的施設が有れば課税するし、無ければ課税されない(一方、配当・利子・使用料等の投資所得は、P/Eが無くても課税される)と規定されている為、恒久的施設の判定は、極めて重要なステップとなります。
租税条約上例示されている恒久的施設は、「事業管理の場所、支店、事務所、工場、作業場、天然資源の採取場所、6ヶ月超継続する工事等」です。
但し、現地法人(子会社)は、原則として(従属的代理人と認定されない限り)恒久的施設とは見なされませんので、法人形態で行う上記の業務(工場、作業場、採掘場等)は、P/Eに該当しません。
また、以前は、P/E形態(事業所形態)で外国企業が請負工事を行う事が多かったのですが、現在の規定上、一定要件を満たす現地法人を開設しない限り、請負工事の資質を取得する事ができない為、中国に於いては、工事P/Eも少なくなっています。
更に、国内の拠点が、外国企業の為の補助的・準備的活動に専念している場合は、P/Eとは見なされませんので、補助的活動に従事する事務所(常駐代表所)もP/Eではありません。
以上を大雑把に纏めると、開設した時点で明らかにP/Eとなるのは「支店」、活動内容によってP/Eとなるかどうかが分かれてくるのが「事務所」、組織形態によって、P/Eとなるかどうかが分かれてくるのがそれ以外と言う事ができるでしょう。

2.上記通知の内容

上記通知は、租税条約における「営業」・「準備的、補助的活動」という単語の意義と解釈に付いて、以下の通り解説しています。

  1. 「営業」という語は、生産経営活動のみを意味するのではなく、非営利機構が従事する一般業務活動も含んでいる。よって、税収条約締結相手国の非営利機構が、中国に設置した一拠点を通して業務活動を行う場合、その活動が、準備的・補助的な活動を除き、恒久的施設と認定される。
  2. 「準備的・補助的」業務の判定には、以下の原則に注意しなければならない。
    • 国内機構が外国企業(本社)に対してのみサービスを行っているか。
    • 国内機構の業務内容が外国企業の業務内容と一致しているか。
    • 国内機構の業務内容が外国企業の業務の重要な一部分を構成しているか。

    国内機構が、外国企業(本社)のみならず、対外的な業務を行っている場合、或いは、拠点の業務内容が外国企業の業務性質と一致しており、且つ、その業務が外国企業の業務の重要な一部分を構成している場合には、当該拠点の業務は準備的・補助的活動とは認められない。

尚、中国内機構が、外国企業のためにのみ準備的、補助的なサービスを提供し、恒久的施設ではないと納税者が認識する場合には、関連する証明書類を税務機関へ提出し、税務機関の判定を仰ぐ事が要請されています。

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