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外高橋保税区・物流園区関連Q&A

2007年2月6日に行われた、外高橋保税区・物流園区とのQ&Aの内容をご紹介します。
解説は水野真澄によるものです。

【質問3】
上海市の通知では、国内流通権を取得していない保税区企業は、区外にコンサルティング性分公司(非営業性分公司)を作る事ができる事になっている。
これは、作らなくてはいけないのか。
作らなくてはいけないとしたら、制限期間はあるのか(何時までに作らなくてはならないという目処はあるか)。

外高橋保税区関係者の回答:

上海市外高橋保税区管理委員会と浦東新区工商局外高橋保税区分局は、2006年5月15日に発表した「外高橋保税区企業工商管理の若干の問題に関する通知」において、以下の事を規定している。

  • 保税区内の国内流通権を取得していない貿易・小口配送(パーツセンター)企業は、親会社(本店)と同じ業務範囲内の連絡、コンサルティング業務を行う分公司を設立できる。

ここで強調しておきたいのは、政府主管部門は保税区にある外資企業が、区外に「本社と同業務範囲内の連絡、コンサルティング業務の分公司」を開設する事については、時間的な制限を設けていない事である。
よって、保税区企業は必要に応じて分公司を設立できる。
但し、多くの保税区外資企業は、市内(保税区外)に固定経営場所を有し、恒常的に「本社と同じ業務範囲内の連絡、コンサルティング業務」に従事しているという状況を勘案し、早期にコンサルティング性分公司(非営業性分公司)の開設を行う事を推奨する。

解説(水野):

昨年(2006年1月)の会社法改正に伴う一連の流れのなかで、外商投資企業の国内連絡事務所(弁事処)の登記が認められなくなっています。
「外商投資企業関連審査登記管理法規適用における若干の問題に関する執行意見(国家工商行政管理局・商務部・税関総署・外貨管理局)」では、以下の点を明確にしていますので、連絡事務所の開設自体が認められなくなった訳ではありません。

<執行意見により明確となった点>
  • 中国の法律は、外商投資企業が、中国内に連絡事務所(弁事機構)を開設することを禁止しておらず、既存の出張所は継続する事ができる。
  • 外資企業の出張所は工商登記を必要としない。
  • 出張所は営業に従事する事が禁止されている。
    会社登記機関は、出張所が営業行為を行う事に対して管理を強化する。

通常の外商投資企業(保税区以外の外商投資企業という意味です)の場合は、分公司の開設が認められていますので、会計・税務処理の煩雑さは伴いますが、「営業活動をしたい場合」、「登記無しの事務所が実務上不便を伴う場合」は、連絡事務所から分公司に組織を変更すればよい訳ですが、保税区企業は従来、区外分公司の開設が認められていませんでした。
⇒ 保税区の外資企業が区外に事務所を開設することに関する通知(工商企字[2001]第363号)」により、保税区企業は区外に営業行為を行わない連絡事務所に限定して開設できる事が規定されている。

よって、保税区企業の殆どは区外に連絡事務所を開設し、ここで実質的な営業行為を行っていた訳ですが、区外出張所登記ができなくなった事により混乱が生じました。
この事態を収拾する意味で、上海市が出したのが上記の通知です。
ここでは、コンサルティング性分公司(非営業性分公司)という概念が導入されましたが、これは連絡事務所(弁事処)と同様、直接的な営業行為を認められていない組織で、実質的には同じ形態です。
違いは(現時点では)連絡事務所は登記が不可能であるが、非営業性分公司は登記ができる点です。

勿論、法制上、弁事処の開設・運営自体が禁止された訳ではありませんので、「一切の営業活動を行わない」という前提であれば、区外組織を連絡事務所のままにしておく事も可能ですが、区外で一切の営業行為をしないと断定できる保税区貿易会社は少ないと思いますので、やはり分公司登記が必要でしょう。

因みに、非営業性分公司は文字通り営業行為が認められない形態です。
区外で営業活動を行う場合は、営業性分公司を開設する(その前段階で、外商投資商業領域管理弁法の手続に基づいて、国内流通権を取得する)のが原則と考えてください。

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【質問2】既に保税区の貿易会社がある場合、「既存の保税区企業の営業範囲を拡大する方法」と、「区外に新しい商業企業を設立する方法」の2種類が考えられますが、どちらが有利な方法でしょうか。
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