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外高橋保税区・物流園区関連Q&A

2007年2月6日に行われた、外高橋保税区・物流園区とのQ&Aの内容をご紹介します。
解説は水野真澄によるものです。

【質問2】
既に保税区の貿易会社がある場合、「既存の保税区企業の営業範囲を拡大する方法」と、「区外に新しい商業企業を設立する方法」の2種類が考えられますが、どちらが有利な方法でしょうか。
メリット・デメリットを教えてください。

解説(水野):

各々、メリット・デメリットがありますが、既存の保税区貿易会社を活用する場合(営業範囲の拡大をする場合)は、以下のメリットが考えられます。

  • 既存の会社を活用するので、会社清算・新設(組織変更)の手間が省ける。
    商業企業の新設自体は随分容易になってきているが、会社の清算作業は債権・債務の整理、資産・人員の移管を伴うので大変な作業になる。
    特に組織の改廃に当たり不動産譲渡を伴う場合は、手間だけでなく税コストが高額になるおそれがある。
  • 保税区の優遇政策を活用できる為、税コストが節減できる。
    現時点(2006年?2010年の政策)では、保税区貿易企業には以下の通りの優遇措置が認められている。
    (増値税)
    増値税納税額100元につき、7.5元の還付措置(財政補助)が適用される。 また、新設企業に関しては最初の2年間は、100元に付き15元の還付が実施される。
    (企業所得税)
    現時点の税法では、15%の企業所得税が適用されているが、更に納税額100元に付き12元の還付措置が適用される(新設企業の場合、最初の2年は24元)。
    その為、実質的な税率は、11.4?13.2%になっている。
  • 中継貿易に対応できる。
    中継貿易は、貨物が保税区を経由して再輸出される場合、貨物が中国を介さずに外国間で転送される場合の二種類がありますが、保税区企業は共に認められている。
    勿論、外貨管理規定上では、仲介取引ができるのは保税区企業に限定されていないが、保税区企業以外は、外貨送金許可が下りにくいという実情がある。
    因みに、三国間取引の場合、「貨物代金受領後の支払いが義務付けられる(仕入れ代金を先に送金できない)」、「売上代金>仕入れ代金でなければならない」という制限があるので注意を要する。
  • 保税貨物の取り扱いが容易。

一方、既存の貿易会社を活用する際のデメリットとしては、増値税発票の起票・納税などを保税区で行う必要があるため、手間がかかるという点です。
⇒ 区外(上海市内)に営業性分公司を開設した場合でも、現在、分公司は一般納税人資格が取れない(同一市内に本支店がある場合は、本店で企業所得税も増値税も納税するのが上海のルール)。

尚、国内流通権・貿易権を取得した保税区貿易会社の外貨対応(輸入代金決済の為の外貨送金ができるのか)が以前は不明確で、この点が保税区企業を活用する事の最大の問題点と言われていました。
⇒ 保税区外貨管理弁法では、保税区企業は配当等の一部の支払いを除いては、銀行で外貨を購入できない(手持外貨からの送金のみ可能)という規定になっているため。
但し、現時点では貿易権を取得した保税区企業については、銀行での外貨購入が認められていますので、この問題は解消されています。
つまり、「貿易権を取得した保税区貿易会社が貨物の輸入を行う場合、保税区企業の立場ではなく、区外(一般区)企業の立場で輸入をする為、外貨の購入が可能」という解釈・運用が行われているという事です。

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