トップ  >  香港と本土の租税協定における183日ルール 掲載日:2008年9月3日

掲載日:2008年9月3日
香港と本土の租税協定における183日ルール

香港と中国本土の租税協定では、個人所得税課税に関する183日が、通常とは若干違う形式で規定されています。
この内容ついて、「内地と香港特別行政区の所得に対する二重課税防止、徴税漏れを防止する事に関する取り扱い規定に関する条文解釈と執行問題についての通知(国税函[2007]403号)、以下、通達」の内容を踏まえて解説します。

1.183日ルールの内容の変更

183日ルールとは、非居住者の賃金・給与に関する納税義務に関するルールであり、通常は、非居住者が、累計で暦年(カレンダーイヤー)に183日を超える期間、他の租税条約締結国に滞在すると、当該他国で個人所得税の納税義務が発生するというものです(注)。
香港と中国本土の旧租税協定でも、これと同様の規定がされていましたが、改定に伴い、新租税協定(本土では2007年1月より発効)では、以下の通り変更されています。

  • 納税年度が開始する、若しくは、終了するいかなる12ヶ月間において、連続、若しくは、累計183日超滞在した場合、納税義務が発生する。

つまり、従来であれば、香港居住者が、たとえ継続して183日を超える期間中国内地に滞在したとしても、年度をまたげばリセットされた(ある暦年内に183日超でなければ課税されなかった)のですが、今回の、継続するいかなる12ヶ月間でも、183日を超過すれば、中国内地で納税義務が発生する事に変更となりました。

注)滞在期間が183日を超えなくても、国内の機構が給与の一部・全部を負担している場合は、その分に付いては、滞在日数に拘わらず納税義務が生じます。

2.納税年度をまたぐ12ヶ月間で183日を超過した場合の扱い

2つの納税年度を跨いで、滞在日数が183日を超過した場合の対応が、同通達には次の通り規定されています。

  • 本根居民が、内地で連続、若しくは累計で183日を超える期間滞在した12ヶ月の開始と終了月が、それぞれ2つの納税年度に跨った場合、2つの納税年度内に、内地の全ての滞在月に取得した所得に付いては、内地で納税義務が生じる。

通達では、次の様な例が示されています。
2007年の2月、4月、11月、12月、2008年の3月、4月、5月、10月、12月に内地で業務を行い、且つ、2007年11月から2008年10月までの期間に183日を超える滞在日数となった場合、開始月である2007年11月と、終了月である2008年10月の属する納税年度、つまり、2007年と2008年の双方の納税年度が、課税対象となる。
結果として、2007年2月、4月、及び、2008年12月に関しても、対応する所得に付いては、個人所得税を内地で納税する必要がある。

因みに、納税額の計算は、国税発[2004]97号に基づいて行いますが、中国内の機構が給与を負担していない場合は、以下の算式に基づいて個人所得税を計算します。

納税額 =
                       当月中国内労働日数
(当月の給与総額 x 適用税率?速算控除額) x ----------------------------
                        当 月 日 数

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