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【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.12

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【中越ビジネスマニュアル 第12回】
中国とベトナムの外資誘致方針の推移と現状

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【中越ビジネスマニュアル 第12回】

中国とベトナムの外資誘致方針の推移と現状


外資政策は、その国の経済発展の度合い、誘致の成熟度などによって変わります。
よって、現段階の待遇が、今後も受けられる保証は有りません。
その点、中国の外資誘致は、ベトナムの状況に比較して10数年以上先行していると言ってもよいと思いますので、ベトナムの現状と今後を把握するにあたり、中国の外資誘致政策の推移は参考になると言えるでしょう。
中国の過去20年の外資政策の変化と、ベトナムの制度を比較してみたいと思います。

1.中国の外資政策の推移

中国の外資政策の主な流れは、2000年代前半に規制緩和、2000年代後半に外資優遇措置の削減が行われ、2010年以降は、会社制度の合理化等の措置が実施されています。
主要な流れをピックアップすると、以下の通りとなります。

(1)WTO加盟(2001年)
中国のWTO加盟は2001年12月11日ですが、それに際して、貿易権・国内流通権の開放をはじめとする、各種のサービス分野の規制緩和を公約しました。
それにより、2004年(加盟後3年)に、「対外貿易法」の改定による貿易権の開放、「外商投資商業領域管理弁法」の公布による外資企業に対する国内流通権の開放が実施されました。国内流通権に付いては、開放後、徐々に実務面での規制緩和を実施し、現在では、比較的容易に販売・貿易会社の設立が可能です。

(2)中古設備機器輸入規制(2003年)
中国で中古設備機器の輸入が強化されたのは2003年です。この時から、特定の中古設備機械、製造から8年以上経過した設備機械(現在では、製造年数制限廃止)は、輸入地の検査だけでなく、船積み前事前検査が要求されるようになりました。
現在では、日本に中国の検疫関連機関が有り(CCIC Japan)、事前検査に対応しています。

(3)優遇税制廃止(2008年)
中国は、以前(旧外商投資企業及び外国企業所得税法施行時)は、外資企業の大部分が、優遇税制を享受できていました。
外資生産型企業の場合は、優遇税率だけではなく、二免三減などのタックスホリデーが享受できましたし(輸出型・ハイテクであれば、更なる優遇享受が可能)、経済特区などでは、業種に拘わらず優遇税率が適用されました。
この様な優遇が、2008年1月1日の企業所得税法改定(内外資の企業所得税法統合)により、撤廃されました。

(4)加工貿易の形態制限(2007~2008年)
2000年代中盤より、輸出歓迎の傾向が薄れ、国内市場重視の政策に切り替わってきました。これにより、加工貿易も、低付加価値の来料加工(加工賃ベースの加工貿易)の許可取得が困難になる。更には、広東省(深セン・東莞)独特の加工貿易形態(来料加工廠形態)が制限されるようになりました。

(5)会社制度の合理化
上記の様に、外資企業に対する優遇は、徐々に削減されていきましたが、一方で、行政手続きの合理化・簡素化が、2010年代中盤より行われています。
2014年には、会社法・三資企業法の改定により、資本金規制が緩和され、会社法の資本金制限が撤廃され、また、払込期限も撤廃されました。
これにより、申請・登録した資本金を、(その旨、定款に記載すれば)経営期限内の任意の時期に払い込む事ができるようになりました。また、個別業法に最低資本金が設定されている業種も有りますが、2015年には、外資投資性会社・国際貨運代理会社・外資株式会社・外資ファイナンスリース等の最低資本金制限が廃止されました。
また、2016年には、外資算入制限のない業種に付いては、設立許可審査を免除し、届出に変更する様な規制緩和が実施されています。

2.ベトナムの外資政策の推移

ベトナムの外資政策の主な流れは、2000年代後半に外資優遇措置の削減、及び、規制緩和が行われ、2015年以降は、会社制度の合理化等の措置が実施されています。中国と異なり規制緩和の前に外資優遇措置の削減がなされたのには理由がありますので、以下、主要な流れを通じて述べていきます。

(1)外資優遇措置の削減
2006年6月以前は、外資企業と内資企業とを規制する法律は異なっており、外資企業は、外国投資法により優遇措置が設けられていました。しかし、WTO加盟の前提として、投資に係る内外格差是正への対応が必要となり、外資企業、及び、内資企業に対して共通の投資法が2005年11月29日に定められ(2006年7月1日施行)、外資企業のみを対象とする優遇措置は撤廃されました。現在は、2014年改正の投資法に基づき、外資企業、内資企業の隔てなく、一定の地域、若しくは、一定の事業への投資に対して優遇措置が引き続き設けられています。

(2)WTO加盟(2007年)
中国の加盟から遅れることおよそ5年を経て、ベトナムは2007年1月11日にWTOに加盟しました。中国同様に加入に際して、貿易権・国内流通権の開放をはじめとする、各種のサービス分野の規制緩和を公約しました。
それにより、2009年(加盟後2年)に、外資企業への貿易権・国内流通権の開放が実施され、販売・貿易会社の設立は可能となりました。
但し、内資企業には求められていない、HSコードの事前登録が外資企業には求められており、実質的な外資規制が未だに存在する状況です。

(3)中古設備機器輸入規制(2016年)
ベトナムで中古設備機器の輸入が強化されたのは2016年7月1日からです。この時から
製造から輸入までの期間が原則10年以下の中古設備機器であることが輸入条件となっています。また、中古設備機器は、ベトナムの国家技術基準、ベトナム標準、若しくは、G7各国の安全・省エネ・環境保護の規定に合致していることが求められていますので、製造メーカー、若しくは、認定機関による鑑定書を提出し規定への準拠を証明しなければなりません。現在では、日本海事検定協会が検査機関として、ベトナム科学技術省から認定を受けているため、事前検査、及び、鑑定書作成に対応しています。

(4)加工貿易の形態制限
ベトナムは2020年までの工業国入りを目指しているため、2000年代後半以降もサムソンのスマホ工場誘致のように、輸出歓迎傾向が持続しています。従いまして、中国のように国内市場重視の政策には、まだ切り替わっていませんので、現状では加工貿易の形態制限は見られません。

(5)会社制度の合理化
上記の様に、外資企業に対する優遇は削減されていきましたが、一方で、行政手続きの中国制度への模倣・合理化・簡素化が、2015年代中盤より行われています。
2015年7月1日に施行された改正投資法・企業法により、従前は投資証明書の取得のみであった法人設立手続きが、投資登記証明書と法人登記証明書の2段階での取得へと変更になり、中国制度を倣った形式になっています。
また、従前は資本金払込期限が異なっていた有限会社と株式会社ですが、有限会社の払込期限が、従前の36ヶ月以内から90日以内へと変更され、株式会社の資本金払込期限である90日以内に統一されました。中国のように期限撤廃までには至っていません。

以上



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プログラム▼
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1-1.国際条約の国内法規としての効力
1-2.WTO
1-3.東南アジア諸国連合(ASEAN)
1-4.日本との間におけるEPA及びその他の二国間協定
1-5.外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(NY条約)
1-6.TPP11

2.投資法におけるベトナムへの直接投資に係る手続
2-1.投資形態
2-2.投資優遇制度
2-3.投資法における投資手続
2-4.その他の投資法上の注意すべき点
2-5.ベトナム直接投資の実行の際における法務的注意点

3.企業法におけるベトナム現地法人のガバナンス体制
3-1.ベトナムにおける会社の種類
3-2.有限責任会社の意思決定機関
3-3.株式会社の意思決定機関
3-4.利益相反取引
3-5.法定代表者のベトナム居住義務
3-6.定款を作成する際の注意点
3-7.合併
3-8.会社分割
3-9.減資
3-10.民事再生手続

4.ベトナムにおける契約法務上の注意点
4-1.契約相手方の法的性質の確認
4-2.契約相手方の信用力不足の担保
4-3.相手方署名者の権限確認
4-4.契約言語
4-5.準拠法
4-6.仲裁
4-7.消費者契約に関する注意点
4-8.時効管理

5.ベトナムにおける不動産制度及び不動産業規制
5-1.ベトナムの不動産制度の概要
5-2.ベトナムにおける不動産業規制

6.ベトナムにおける労務管理
6-1.ベトナムにおける労働法の適用範囲
6-2.ベトナムにおける労働契約
6-3.ベトナムにおける労働契約
6-4.就業規則及び懲戒処分
6-5.ベトナムにおける就業時間、休憩時間及び休日
6-6.労働者派遣
6-7.労働組合
6-8.ベトナムにおける解雇規制
6-9.労働紛争
6-10.最低賃金

7.ベトナムにおける裁判及び仲裁
7-1.ベトナム国内の裁判
7-2.ベトナム国内の仲裁
7-3.外国判決及び外国仲裁判断の承認及び執行

8.ベトナムにおける独占禁止法上の規制
8-1.競争制限契約
8-2.優越的地位の濫用
8-3.経済集中規制

9.投資の撤退(出資持分/株式の譲渡又は会社清算)の要件、手続及び注意点
9-1.撤退手段
9-2.出資持分譲渡による撤退
9-3.会社の解散・清算

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