【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.33( 2014年1月22日発行)


INDEX


◎【中国ビジネス・トレンド】

1.会社法改定(資本金制度の規制緩和)について

2014年3月1日に会社法(公司法)が改定され、上海自由貿易区や深セン・珠海
の商事登記制度改革で先行試行されていた、資本金制度の自由化が全国で実施
されます。
資本金払込み制度自由化の主な内容は、以下のとおりです。

1)最低資本金
現在の会社法では、有限公司3万元、出資者が1名の有限公司10万元、株式会社
500万元という最低資本金が設定されていますが、この制限が撤廃されます。
但し、外資企業の場合は、総投資と資本金の比率(工商企字[1987]第38号)は
継続されますし、業法に最低資本金設定がある場合(外資国際貨運代理500万
元、外資インターネット1,000万元、外資株式会社3,000万元など)は、これに
従う必要があります。
2)資本金払込期限
現在の会社法では、初回の資本金支払いは20%以上。全体を会社設立の日から
2年以内に払い込むことを求めていますが(投資性公司は5年以内)この様な制
限が撤廃されます。
3)現金出資比率
現在の会社法では、30%以上の現金出資比率を求めていますが(現物出資は70
%以内)、この制限が撤廃されます。
4)払込資本金の記載
会社の営業許可証には、登録資本金と払込資本金の双方が記載されますが、会
社法の改定により、払込資本金額の記載はなくなります。


2.物流関連増値税課税の再改定について

2014年1月1日に「鉄道運輸と郵政業に関する営業税を増値税の課税対象とする
事に関する通知(財税[2013]106号):以下、106号通知」が施行されました。
これにより、2013年8月1日より開始された、物流関連費用に対する増値税課税
が、(本格的な問題解消には至りませんでしたが)若干の改善が図られています。

2013年8月1日より、国際輸送物流補助業務に関して6%の増値税が開始された
のは、財税[2013]37号により、差額課税方式が廃止された事によるものです。
差額課税方式とは、受領する収入から下請代金などを控除した差額に対して、
増値税課税を認める制度ですが、106号通知・付属文書2・一(四)6に、以下
の通り、差額課税方式を容認する記載があります。

<106号通知の付属文書2の一(四)6>
「輸送機経営者の委託により委託者の名義、若しくは、自社の名義で貨物の輸
送を行わない状況下、委託者のために貨物の国際輸送を行い、国際輸送機の船
積み(輸出入)、停泊、貨物の積み下ろし、その他の手続を行う貨物の引受人
(若しくは代理人)、貨物配送人(若しくは代理人)、輸送機の所有者・輸送
機のリース借受人を言う。」

これにより、物流補助費用(国際貨運代理費用など)に対する課税問題は解消
すると思われていましたは、上海市、その他の税務局に確認したところ、差額
納税方式は、委託者(船会社・航空会社等)から直接委託を行けた場合のみ適
用できるため、一級代理以外の二級代理、三級代理は適用不可との回答でした。

国際輸送(中国⇔外国、外国間の輸送)に中国企業が関連する事を前提とし、
取引価格は以下の通りと仮定すると、106号通知に基づく課税関係は、以下の
通りとなります。
船会社⇒100⇒一級代理⇒200⇒国際貨運代理⇒300⇒顧客

1)船会社
国際輸送行為であるため、ゼロ税率が適用されます。
このため、一級代理に対しては、増値税は請求しない事となります。
2)一級代理
差額課税方式が適用できるため、200ー100=100が課税対象となります。
差額課税方式を適用する場合、専用発票を発行することはできないため、100
×0.06/1.06=5.66を自己負担し、国際貨運代理に対しては、普通発票を交付します。
尚、差額控除は、下請代以外に、税関費用・商検費・港湾費等の行政費用も適
用対象となります。
また、差額控除適用時には、物流会社が発行する国際運輸発票・行政発票が必
要となります(これが取得できない、二、三級代理は差額控除が適用できない)。
3)国際貨運代理
国際貨運代理会社は、支払い増値税はありませんが、顧客から、300×6%=18
の増値税を回収し、納税する必要があります。
尚、貨運代理業の免税適用条件は、海外の顧客に対してサービスを提供する事
ですので、顧客が海外であれば、事前に免税措置の適用に関する登記(備案)
を行えば、免税措置が適用でき、上記前提では、増値税の受払は不要となります。
因みに、37号通知に基づけば、国際貨運代理は一級代理に対して増値税を支払
う必要がありました。結果として、海外顧客から受容する貨運代理費用に付い
て免税措置を適用すると、一級代理に対して支払った増値税を原価処理する必
要があり、免税措置の適用が、採算改善に寄与しないという問題がありました。
106号による制度変更で、この点は改善される事になります。
4)顧客
顧客が国内の場合は、国際貨運代理会社は免税措置の適用を受ける事はできま
せんので、増値税の支払いが必要となります。
増値税を支払った上で、生産型企業の場合は、その納税ポジションによって、
仕入控除、若しくは輸出還付を受ける事になります。
販売会社の場合は、物流費用に関する増値税の輸出還付を受ける事はできませ
んので、国内販売時に発生した売上増値税に関して、仕入控除の適用を受ける
事になります。


3.貨物代金決済管理について

2012年8月1日に貨物代金決済に関する規制緩和(核銷制度の廃止)が行われ、
輸出入貨物代金決済時の通関単提示が不要となりましたが、カラ取引による資
金移動などの不正行為を規制するため、2013年には、5月・12月に大掛かりな
調査が実施されています(匯発[2013]20号・匯発[2013]44 号)。
この調査は、通関と決済実績の乖離や、前受け・前払い・ユーザンス残高が大
きな企業に対して、外貨管理局が質問状(中国語:風険提示函)を提示し、関
係資料の提示を求める方法が取られています。
調査対象となる指標は、自社のモニタリングシステム(中国語:監測系統)で
確認する事ができますので、日頃の管理が必要です。
ここには、資金貨物比、総量差額、総量差額率、貿易信貸報告残高比率、貿易
信貸報告余額、資金貨物規模、その他(輸出代金払戻回数・金額など)の指数
が表示されており、許容値を越えた場合、警告が表示されます。
尚、回答までの期間が10営業日と短いのですが、適切な回答できない場合、外
貨管理分類がB類(事態が深刻な場合はC類)に降格されます。


4.中国企業からのロイヤルティ回収ステップについて

中国企業(外資企業・内資企業双方)から、固定額、若しくは、売上に連動し
たロイヤルティを徴収するケースは少なくありません。
この場合の法律上、実務運用上の手続は、以下の通りとなっています。

1)外貨管理
ロイヤルティ対外送金の根拠となるのは、匯発[2013]30号、国家税務総局・国
家外貨管理局2013年第40号ですが、ここでは、以下の通りの基準が設定されて
います。
・US$ 5万以内の送金 
銀行審査のみ(契約書と支払通知書の提示が必要)
・US$ 5万超の送金 
税務局での事前登記が必要(契約書・支払通知書に加えて、制限分類技術の場
合は技術登記証の提示が必要)
尚、以前は、ランニングロイヤルティ(売上に連動したロイヤルティ)の支払
いには、公認会計士の証明が必要でしたが、2013年9月1日に根拠法(匯発[200
2]29号)が失効となったため、現在では提示は不要です。
2)技術登記
外貨送金上は、技術登記証の提示が要求されるのは、US$5万を超過する制限分
類技術の場合のみですが、技術輸入登記義務が撤廃されたわけではありません
ので、引き続き、商務主管部門(対外経済貿易部門)での技術登記が必要とな
ります。
この際の根拠となるのは、「技術輸出入管理条例(国務院令2001年第331
号)」・「技術輸出入契約登記管理弁法(商務部令2009年第3号)」です。

技術登記にあたり、制限類の輸入は商務部の許可証管理対象となりますが、自
由類については、地方の商務主管部門(外経貿機関)で手続が可能です。
自由類の輸入は、法律上は自動登記(審査不要)となっていますが、実際には、
登記に際して審査が行われており、ロイヤルティ率(5%以内)、期間(10年
以内)といった様な指導が行われているのが通常です。


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