【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.20( 2011年11月30日発行)


INDEX


◎【中国ビジネス・トレンド】最新動向

・流通税制度の改革(営業税と増値税の統合)

Q:最近、中国における流通税制度が改革されるという話を聞きますが、どういう内容で
しょうか?

A:流通税制度の改革とは、営業税の課税対象となっている項目の一部を、増値税の課税
対象に切り替える措置を指します。この措置は、まず、2012年1月1日より上海市において
試験的に実施され、その後全国に拡大が予定されています。

<関連規定>

・営業税の増値税課税への変更の試行措置の印刷物公布に関する通知(財税[2011]110号)
・上海市において交通運輸と一部の近代サービス業務の営業税を増値税課税に切り替える
事に関する試験措置の通知(財税[2011]111号)

Q: なぜこのような改革が必要となったのでしょうか?

A:現在は流通税が増値税と営業税に分かれている事、更には、営業税には仕入控除制度
がない事から、特定の取引において二重課税が生じる事となります。
今回の改革は、この様な制度欠陥の改善を目的としています。

Q:具体的な問題解消の事例としてどのようなものがありますか?

A:改善が期待できる内容として、以下が挙げられます。
(1) 営業税の課税対象者(非増値税一般納税義務者)が、下請けを起用した場合、二重課
税が発生しますが、これが改善できる事になります。
(2) 営業税の納税義務者は、自己使用使用資産を購入時の支払増値税の控除・還付が受け
られませんが、これが改善できる事になります。
(3) 割賦販売(販売会社)とファイナンスリース(リース会社)の流通税課税方式が
 統合されます。

Q:その他のメリットや注意点について教えてください。

A:税率については、現在の増値税率(17%、13%)に、11%と6%が追加されます。
有形資産のリースは17%、交通運輸・建築は11%、近代サービスは6%が適用されます
また、サービスの輸出に関しては、免税(若しくはゼロ税率)制度が適用されます。

増値税対象となった近代サービスの場合、営業税課税時より税率が1%上がりますが(5→
6%)、外注費に関する税額の控除や固定資産を購入した際の増値税の控除が可能になる、
更には、輸出免税制度が適用されるため、メリットに繋がる事が期待されます。

物流業の場合は3%(貨運代理は5%)から11%に、税額が大きく引き上げられる一方、運
輸発票に基づかなくても、輸送金額の7%を仕入控除金額とする事が認められます。
なお、金融・保険業については、簡易納税方式を適用すると定められています。
簡易納税方式とは、仕入控除を認めず、3%の税率で課税する方式を指します。


・資本金の人民元換金と親会社ローンの規制強化

Q:最近、資本金として払い込まれた外貨の人民元換金についての再度の規制強化と、外
資企業の対外借り入れの規制強化が実施されたと聞きました。

A:まず、人民元転換した外貨資本金に対する規制強化について解説します。
(1) 国内再投資の禁止
従来(匯綜発[2008]142号)より、外資企業が外貨資本金を人民元換金した上で、中国国
内で再投資(持分出資)する事は禁止されていますが、当通知で改めて強調されました。
(2) 不動産購入資金の制限
外資企業は不動産投資を行う事は禁止されており、非不動産業種である外資企業は、人民
元転して得た資金で、非自社用不動産を購入する事が禁止されています。
自社使用の不動産に関しても、資本金を人民元換金する際に、銀行に国有建設用地譲渡契
約、及び対応する非課税通知書等を提示し、審査を受ける事が義務付けられました。
(3) 委託貸付の禁止
外資企業は、人民元転換した外貨資本金を、委託貸付、立替金形式の資金拠出、第三者の
銀行借入の代理弁済に使用する事が禁止されます。
増資資金を換金して、既存の人民元借入を返済する事は認められますが、その場合は、銀
行による事実関係(貸付契約・使用用途の証憑等)の審査が義務付けられました。
(4) 保証金目的の換金禁止
外貨資本金を人民元換金して、一切の保証金を支払う事が禁止されます。保証金は、外貨
のまま支払う事(保証金を受領する者は、保証金専用外貨口座を開設して、外貨として保
管)が義務付けられます。

次に外資企業の対外借り入れの規制強化について解説します。

(1) 投注差管理の厳格化
外資企業が対外融資を受ける際には、外貨管理局で外貨債務登記を行う事が義務付けられ
ますが、外債登記可能額は、定款上の投注差(総投資から資本金を引いた金額)に制限さ
れます。
従来は、資本金の払い込み状況とは関係なく(定款に規定された払込み期限を順守してい
る事が前提)、総投資・資本金の全額を基に投注差が計算されましたが、当該通知により、
外国企業の資本金払込み比率に応じて計算する事が規定されました。
資本金の払い込みが50%の状況においては、投注差x50%が外債登記可能額となります。
(2) ロールオーバーの制限
外債管理弁法は、外債登記可能額を、融資期限に応じて、「短期借入金残高と中長期借入
金累計額の合計の範囲内」に制限しています。
これは、短期借入金(借入期限1年以内)は、返済すれば残高が復活するものの、中長期
借入金(借入期限1年超)は、返済しても残高が復活しない事を意味します。従来は、短
期借入金をロールオーバーし、実質中長期借入金の状態となっていても、これを制限する
規定はありませんでしたが、当該通知により、ロールオーバーにより融資期限が実質1年
を超過した場合は、中長期借入金として扱われる事となりました。

<関連規定>

一部の資本項目に関する外貨業務の一層の明確化と規範化問題の通知(匯発[2011]45号)
2011年11月9日公布、施行


◎【水野真澄講演予定】12月以降の予定

◎12月2日「中国企業との提携におけるリスク管理と問題解決方法」

本セミナーでは、“中国企業との提携”にスポットを当て、中外合弁会社設立から運営・
撤退に至るまでの適切なリスク管理とトラブル回避の方法、更に、トラブルが発生した場
合の対応について、日本人コンサルタントと中国人弁護士という異なる立場の二人が、デ
ィスカッションを交えて解説します。

開催日時:12月2日(金)14:00?17:30
会場:T’s渋谷フラッグ8階 ROOM8H
(東京都渋谷区宇田川町33番6号  TEL:03-5457-7881)
講演者:
水野真澄(水野コンサルタンシー代表)
劉新宇(King & Wood法律事務所・パートナー弁護士)
参加費(税込): 5,000円/1名
定員:50名
詳細及びお申込みはこちら
http://chasechina.jp/cc/article.php?article=6215

セミナー内容
第一部:中外合弁会社の設立・運営・撤退
1.合弁会社の設立、運営、撤退
第二部:中国企業、現地法人・事業会社に対する技術供与
1.技術供与の注意点(知的所有権保護等)
2.無形資産供与の形式と利益の回収
第三部:紛争発生時の対応
1.紛争発生時における交渉の注意点
2.示談・調停・訴訟上の和解
3.仲裁、訴訟

◎12月19日「税務・外貨管理・通関手続から検証する中国ビジネスモデル
(加工貿易活用・保税区域活用・中国国内販売等)」

加工貿易、中国国内販売、保税開発区を使ったオペレーションに関する価格設定、外貨送
金、通関管理、会計税務上の注意点を、水野コンサルタンシー代表・水野真澄と、中国移
転価格税制の第一人者である、上海ユナイテッドアチーブメントコンサルティング執行董
事鈴木康伸会計士が、ディスカッションを交えて具体的に解説します。
また、移転価格税制、貨物代金決済改革、増値税と営業税の統合等のトピックスに付いて
も、その意義と注意点を取り上げます。

開催日時:12月19日(月)13:30?17:00
会場:産経新聞本社ビル7階A会議室 (東京都千代田区大手町1丁目7番2号)
講演者:
水野真澄(水野コンサルタンシー代表)
鈴木康伸(上海ユナイテッドアチーブメントコンサルティング執行董事・会計士)
参加費(税込):一般8,000円/1名  (MCH、UA)会員価格5,000円/1名
定員:50名
詳細及びお申込みはこちら
http://chasechina.jp/cc/article.php?article=6220

セミナー内容
第1部 加工貿易(進料加工転換後のビジネスモデルと取引価格設定上の注意点)
第2部 保税区活用(非居住者在庫オペレーション)の税関管手続と税務上の注意点
第3部 中国国内販売のオペレーションと税務上の注意点
第4部 その他のビジネストピックス
    増値税と営業税の統合、移転価格をめぐる最近の状況、
    貨物代金決済の改革、香港経由の出資のメリット・デメリット


◎【中国ビジネス規定】中国ビジネス関連法令一覧
http://www.mizuno-ch.com/modules/kitei/

MCHから重要規定のお知らせVol.62で配信した規定を紹介します。

※各規定の日本語訳はコンサルティング会員に入会いただくと閲覧できます。
入会について詳細はこちら

税務・会計■企業による上場会社売却制限付株の譲渡に関わる所得税問題に関する公告:
国家税務総局公告2011年第39号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135282
【概要】企業による上場会社売却制限月株式の譲渡に伴う企業所得税の納税義務について
定めた公告。主な内容は、納税義務者の範囲、企業が個人に代わって所有する売却制限月
株式の譲渡に対する徴税、解禁前の売却制限月株式の譲渡に対する徴税。

税務・会計■中華人民共和国個人所得税法実施条例:中華人民共和国国務院令第600号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135553
【概要】個人所得税法実施条例の改正に関する国務院令。基礎控除を3,500元、付加控除
を1,300元とする。

貿易■輸出食品生産企業届出管理規定:国家品質監督検査検疫総局第142号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135999
【概要】輸出食品生産企業の食品安全衛生管理強化と届出管理業務の規範化を目的とした
国家品質監督検査検疫総局による管理規定。


税務・会計■西部大開発戦略に深く入り込んで実施することの関連税収問題に関する通知
:財税[2011]58号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135769
【概要】西部大開発を推進するための税制優遇に関する通知。奨励類企業に対する自社用
設備の関税免除、企業所得税率の減免(15%)、一部インフラ企業に対する二免三減期限
の延長、を主な内容とする。

税務・会計■修正後の個人所得税法の貫徹実施関連問題に関する公告:国家税務総局公告
2011年第46号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135910
【概要】個人所得税法の改正の適用開始時期に関する公告。賃金・給与所得は9月1日以後
に取得した賃金・給与から改正後の法律を適用する。9月1日より前に取得した賃金・給与
は9月日移行に入金されたとしても改正前の法律を適用する。

税務・会計■個人事業者、個人独資企業と組合企業の個人投資家の個人所得税の費用控除
基準の調整に関する通知:財税[2011]62号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=135722
【概要】個人事業者、個人独資企業、組合企業の個人投資家の基礎控除を年間42,000元
(月3,500元)とする。

投資■全国加工貿易のモデル転換およびレベルアップのための珠江デルタ地域パイロット
地区建設に関する指導意見:商産発[2011]269号

【原文】http://www.gov.cn/zwgk/2011-08/22/content_1930184.htm
【概要】加工貿易の構造転換のため珠江デルタ地域にパイロット地区を建設する。具体的
には、パイロット地区において3年以内に4つの構造転換(製品の付加価値向上、産業チ
ェーンの上流への拡張、経営主体の多元化、輸出主体から国内外2つの市場を共に重視
へ)を行うことを目指す。また、そのための13の主要措置が挙げられている。

物流■物流業の健康的発展を促進するための政策措置に関する意見:国弁発[2011]38号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=136628
【概要】『物流業の調整と振興計画の印刷配布に関する国務院の通知』(国発〔2009〕8
号)に基づく具体的な政策、措置に関する通知。

商務部■外国投資家による国内企業の合併買収に関わる安全審査制度の実施に関する商務
部の規定:商務部公告2011年第53号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=136622
【概要】外国投資家による国内企業の合併買収が、『外国投資家による国内企業の合併買
収に関わる安全審査制度確立に関する国務院執務局の通達』で明確化された安全審査範囲
に該当する場合の安全審査の申請について。

税務・会計■納税者が土地使用権譲渡又は不動産販売と同時に土地又は不動産に付属して
いる固定資産を合わせて販売するときの税収問題に関する公告:国家税務総局公告2011年
第47号

【原文】http://www.chinatax.gov.cn/n8136506/n8136593/n8137537/n8138502/11658818.html
【概要】納税者が土地使用権譲渡または不動産販売と同時に、土地または不動産に付随す
る固定資産を合わせて販売する時の関連税収問題について。


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◎「改訂中国ビジネス会計税務用語集」

2004年に初版を出版してから約7年が経過しその間に中国の制度は大きく変化しました。
今回の改訂は、中国ビジネス・会計税務制度の急速な流れに対応する事を目的としていま
す。
また、本文中には豊富な相互参照をつけて関連用語を読み進むことができるようにし、中
国語とピンイン、ピンイン索引、法令URLも充実させた「専門家が使える用語集」になっ
ています。

共著 水野真澄 斉藤孝史
販売価格 4,935円(税込)
出版元 キョーハンブックス
日本・全国の書店、香港、上海の日系書店にて販売中
(香港内配送に限り、弊社でも承っております)

◎「変わる! 中国加工貿易の新マニュアル」

著者 水野真澄
販売価格 15,750円(税込)
出版元 エヌ・エヌ・エー
購入・詳細はこちら
http://news.nna.jp/free/nna_book/101220_cny.html

◎「中国ビジネス講座 ビジネス制度編(チェイスチャイナ)」Eラーニング教材

講師 水野真澄
販売価格 31,500円(税込)
詳細、お申込みはこちら http://chasechina.jp/cc/elarning.php
サンプル動画はこちらから http://www.youtube.com/watch?v=0g9dG8RE0Hc

◎「この1冊でビジネス実務の疑問解消!」中国・外貨管理マニュアルQ&A(新刊)

著者 水野真澄
販売価格 3,800円+税(本体価格)
出版元 エヌ・エヌ・エー
購入・詳細はこちらから
http://news.nna.jp/free/nna_book/100621_cny.html

◎「新・中国ビジネス投資Q&A(水野真澄著)」

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http://www.mizuno-ch.com/modules/bulletin/index.php?storytopic=4


【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者

Mizuno Consultancy Holdings Ltd.
WEBサイト http://www.mizuno-ch.com/

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