【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.7( 2010年6月17日発行)

INDEX


◎【中国ビジネス・トレンド】一般納税人資格取得条件の規制緩和

中国で販売会社を作る場合、まず、最初の関門となるのが増値税の一般納税人資格の取得
です。
この一般納税人資格は、一定の課税売上高実績を積めば取得できるのですが、このステッ
プを踏まずに資格を取得するためには、資本金・人員などの大きなハードルがありました。
これが、2009年1月・2010年年3月に規制緩和されています。

では、一般納税人資格が取得できないと、何が不利になるのでしょうか。また、2009年以
降に実施された規制緩和とはどのような内容でしょうか。

1.一般納税人資格とは

増値税の一般納税義務者と小規模納税義務者の違いは以下の通りです。

  • (販売時の税率) 一般納税義務者 17%/小規模納税義務者 3%
  • (仕入控除・輸出還付) 一般納税着者 可能/小規模納税義務者 不可
  • (増値税発票の自社起票) 一般納税着者 可能/小規模納税義務者 不可

以上の通り、仕入控除・輸出還付・増値税発票の自社起票が認められるのが一般納税義務
者、認められないのが小規模納税義務者ということになります。販売税率が、小規模納税
者は一般納税義務者に比べて低い(3%VS17%)ため、一見、得に見えますが、仕入控除
が認められない(仕入増値税全額がコストになる)ので、実際の税負担は、一般納税義務
者よりも重くなります。

仮に100で仕入れた商品を、(利益なしで)100で販売した場合、一般納税人資格を有して
いれば、商品仕入時に17の増値税をサプライヤーに支払い(仮払処理)、販売時にはバイ
ヤーから17の増値税を回収します(仮受処理)。結果、仮受(17)と仮払(17)を相殺し、
仮受金額が大きければ、その分を税務局に納税することになります(この想定では、仮
受・仮払が同額なので、納税不要)。

一方、小規模納税義務者の場合は、仕入時に支払った増値税(17)はそのまま仕入原価と
なってしまいます。その上で、販売時に3(3%)の増値税をバイヤーから回収し、これを
税務局に納税(3に関する発票は、税務局が代理発行)することとなります。

結果として、仕入コストは117・販売収入は100となり、売買損益はマイナス17となるため、
一般納税義務者と同一採算とするためには、販売価格を117とせざるを得なくなります。
このように、税コストが販売価格に転嫁される結果となるケースが多いため、小規模納税
義務者が敬遠されるものです。

2.増値税の一般納税義務者に関する基準緩和

2009年1月の増値税暫定条例・同実施細則改定、及び、2010年3月の「増値税一般納税人資
格管理弁法(国家税務総局令[2010]22号)」・「増値税一般納税人の指導期間に関する管
理弁法(国税発[2010]40号)」の施行により、以下の通りの規制緩和が行われています。

<一般納税資格取得のための年間売上高>

従来、一般納税資格取得のためには、製造業は年間100万元・商業企業は年間180万元の課
税売上高が必要でしたが、増値税暫定条例実施細則の改定により、製造企業50万元・商業
企業80万元に緩和されました。また、「国家税務総局令[2010]22号」では、年間課税売上
高の定義を、「連続する12ヶ月を超えない経営期間内の累計売上高を含み、免税売上高を
含む」と規定しました。つまり、納税年度が単位ではないこと(年度変更による足切りは
ない)、輸出専門企業(課税売上が無い企業)でも増値税の一般納税人資格を受けること
ができることが明確になりました。

<商業企業に対する指導期間>

新設商業企業は小規模納税義務者から開始すること、一般納税人資格を取得した場合でも、
一定の指導期間を経なければならないことが、「国税発明電[2004]37号」に規定されてい
ます。これが、「国税発[2010]40号」により、以下の通り緩和されました。

  • 一般納税人資格取得条件・指導期間などに影響を及ぼす、商業企業の規模の分類基準が、
    「大中型企業(資本金500万元以上・従業員50人以上)・小型企業(要件を満たさない企
    業)」から、「大型企業(資本金80万元超・従業員10人超)・小型企業(要件を満たさな
    い企業)」に変更されました。
  • 商業企業に対する指導期間が、6ヶ月から3ヶ月に短縮されると共に、小型商業企業が指
    導期間中に発行する発票の最高額が、1万元から10万元に緩和されました。

◎【お知らせ】株式会社チェイス・チャイナの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

Mizuno Consultancy Holdings Ltdは、株式会社チャイス・チャイナの株式12%を上海エ
クスプローラー社より取得し、2010年5月1日付で、同社を子会社と致しました。
持分譲渡後の出資構成は以下の通りとなります。

Mizuno Consultancy Holdings 51%
上海エクスプローラー 39%
杉山竜一 10%

既存のビジネスコンテンツの充実はもちろん、教育などの新規ビジネスの展開も視野に入
れ、より一層お客様のビジネスに役立つ情報を開発、発信してまいります。


◎【新刊及び書籍のご案内】「中国・外貨管理マニュアルQ&A」6月25日発売予定

「読めば分かる。ではなく、一目で分かる」をコンセプトに執筆された、必読の中国ビジ
ネス書籍。6月25日発売予定。

銀行口座、換金(人民元⇒外貨、外貨⇒人民元)、貿易取引管理(決済、ユーザンス管理
等)、非貿易項目決済(フィーの受け払い)、企業再編に絡む決済、投融資管理、その他
の資本項目(不動産、保証等)、保税区・香港関連、個人の外貨管理、これら分野分けさ
れた全100問に対する一問一答形式で、複雑な中国の外貨管理を分かりやすく解説。

「この1冊でビジネス実務の疑問解消!」中国・外貨管理マニュアルQ&A
販売価格 3,800円+税(本体価格)
発売予定 6月25日
出版元 エヌ・エヌ・エー

◎「中国ビジネス会計税務用語集(改定版)」

2004年に出版され、各業界の皆さまから大変好評をいただいた「中国ビジネス会計税務用
語集」の改定作業を進めております。

今回、共同執筆者にNAC Globalの斉藤孝史氏を迎え、本書掲載の用語数も大幅に増加予定
(初版に比べ約3倍の700ページ以上)。また、付属資料の充実はもちろん、索引(ピンイ
ン付)の利便性なども大変向上しています。

販売価格 未定
発売時期 7月予定
出版元 キョーハンブックス

◎「新・中国ビジネス投資Q&A(水野真澄著)」

前回の改訂は2006年末に行われております。その後、企業所得税法の改定、新企業会計準
則の導入、設備免税輸入制度の変更、外貨管理制度の変更、加工貿易制度の変更、日本の
配当課税制度の変更等、大幅な制度改変が行われました。
今回は、これらの内容を踏まえた全面改訂となっております。

「新・中国ビジネス投資Q&A」中国ビジネスを勝ち抜くための54のポイント
※目次はこちらhttp://www.explore.ne.jp/store/b400.php

<販売価格>

書籍のみ HK$ 375 JPY3,150(税込) RMB350
CDのみ  HK$ 300
書籍とCDのセット販売  HK$ 500
※コンサルティング会員様には別途優待価格をご用意していますので、下記までお問い合
わせください。


◎【会員様向け新サービス】MCH会員様限定登記代行サービス(年間プラン)を開始します

2010年度より会員様限定の新サービスを開始いたします。

中国の駐在員事務所(代表処)は年に1回、必ず営業許可証の更新手続きを行わなければ
なりません。それ以外にも、住所や社名、代表者などの変更の度に、登記内容を修正する
手続きが必要となります。水野コンサルティンググループでは、中国内においてに発生す
る法人(代表処)登記に関連する手続きを年間定額制で代行いたします。

当サービスでは駐在員の異動にともなう就業証やビザの申請にも対応しております。
毎回の情報収集や資料作成といった負担を軽減するためのアウトソーシングサービスです
ので、ぜひご利用ください。

水野コンサルティング会員様限定・登記代行プラン

※対象:法人 代表処 地域:上海 広州 深セン

年間費用:上海、広州地域15,000元 深セン地域18,000元
※別途実費(翻訳費、行政手続費など)がかかります。

サービス内容:
○法人

  1. 就業証及び居留許可の申請/変更(最大3名)
  2. 董事変更業務(人数に変更なし)
  3. 監事変更業務
  4. 出資者社名変更業務
  5. 登録資本の変更
  6. そのた商務委員会及び工商管理局のみ変更手続を必要とする業務

○代表処

  1. 首席/一般代表の変更手続き
  2. 一般代表の新規登録、抹消手続き
  3. 代表処登記の延長手続き
  4. 住所変更手続き(※同区内に限る)
  5. 社名変更手続き
  6. 就業証及び居留許可の申請/変更手続き(最大4名)

◎【水野講演予定】今後の講演予定

7月?8月に東莞市対外貿易合作局とセミナーを開催し、東莞市における今後の加工貿易政
策、産業奨励方針等を解説する予定です。


◎【中国ビジネス規定】中国ビジネス関連法令一覧
http://www.mizuno-ch.com/modules/kitei/

MCHから重要規定のお知らせVo.43?44で配信した規定を紹介します。

※各規定の日本語訳はコンサルティング会員に入会いただくと閲覧できます。
入会について詳細はこちら

その他■外商投資パートナー企業登記管理規定:国家工商行政管理総局令第47号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=117679
【概要】外商投資パートナー企業の設立、変更、抹消登記に関し適用される管理規定。

税関■税関監督管理方式コードの調整について:総署公告[2010]10号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=117852
【概要】いくつかの監督管理方式コードについて、その内容を調整する。

税務・会計■割引額の増値税課税売上高からの控除問題に関する通知:国税函[2010]56号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118308
【概要】割引額が発票の備考欄に記入してある場合、売上高から控除できるか否かの問題
についての回答。

税務・会計■増値税一般納税者資格認定管理弁法:国家税務総局令第22号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118701
【概要】一般納税者の資格認定及び認定後の資格管理に適用される管理弁法。

税務・会計■税務行政再議規則:国家税務総局令第21号

【原文】http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118636
【概要】公民、法人及びその他組織が税務機関の具体的な行政行為がその合法的権益を侵
害したと判断した時、税務行政再議機関に行政再議を申請し、税務行政再議機関が行政再
議を行う場合、本規則を適用する。

その他■エンジニアリングコンサルティング業2010?2015年発展計画要綱の印刷配布に関
する通知:発改投資[2010]264号

【原文】 http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118229
【概要】2010-2015年エンジニアリングコンサルティング業発展の指導性文書。

法律■中華人民共和国監査法実施条例:中華人民共和国国務院令第571号

【原文】 http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118145
【概要】監査機関の監査監督を管理する実施条例。監査機関の職責や権限、監査手続きな
どを規定。

金融■個人貸付管理暫定弁法:中国銀行業監督管理委員会令2010年第2号

【原文】 http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118154
【概要】銀行業金融機関による個人貸付業務行為を規範化し、個人貸付業務の健康的な発
展を促進するために制定された弁法。

金融■流動資金貸付管理暫定弁法:中国銀行業監督管理委員会令2010年第1号

【原文】 http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118149
【概要】貸付人が企業法人または借入人として国家に認められる他の組織に対し、日常の
生産経営の運転のために使用される、人民元と外貨の貸付業務行為を規範化するために制
定された弁法。

税務・会計■企業所得税法の実施における若干の税収問題に関する通知:国税函[2010]79

【原文】 http://www.fdi.gov.cn/pub/FDI/zcfg/law_ch_info.jsp?docid=118646
【概要】賃貸料収入の認識問題、持分譲渡所得の認識と計算問題など8項目の企業所得税
法上の処理についての通知。


◎【会報から】Mizuno Consultancy Holdings会報第37回

<第37回の内容>

東莞における来料加工独資転換手続の明確化

1.東莞市政府工作会議議事録にまとめられた設備移管のポイント

「財関税[2009]48号」・「税関総署公告[2009]62号」に基づく組織転換のスケジュール、
つまり、2011年6月末までに現物出資申請を行う事を前提に、来料加工廠の独資転換作業
が本格化しようとしています。

来料加工独資転換に関しては、無償提供設備の移管が重要なポイントの一つとなりますが、
東莞市では、設備の移管に際して実務上の問題が生じます。これは、同市では、輸入後5
年未経過の・・・・

※会報はコンサルティング会員に入会いただくとHPから閲覧できます。
入会について詳細はこちら


◎【チェイス・チャイナ中国レポート】

※株式会社チェイス・チャイナは、Mizuno Consultancy Holdings Ltd.と株式会社上海エ
クスプローラーが合弁で設立した、アジアのビジネス情報を発信する会社です。
HP:http://www.explore.ne.jp/business/cc/ 

◎無料レポートピックアップ

タイトル:2008年第1四半期労働争議状況(上海市)(王穏 08年7月掲載)

上海市労働仲裁機構が2008年第1四半期に受理した労働争議案件は1万1904件である。その
うち結審している案件は8,369件、同案件のうち和解で解決した数は5,833件、和解率は69.
7%である。

結審案件の内訳は、雇用会社の勝訴が1,319件(結審数に占める割合は15.8%)、労働者
の勝訴は2,163件(同25.8%)、双方の一部勝訴は4,887件(同58.4%)となった。

【弁護士コメント】

1. 当所では以前、嘉定等地区の労働争議仲裁機構から関連データを……

つづきはこちら
http://www.explore.ne.jp/business/cc/article.php?article=5055

<チェイス・チャイナから重要なお知らせ>

チェイス・チャイナでは、掲載後1年以上経過したレポートの閲覧無料化を決定いたしま
した。

毎月10本以上アップされる最新レポート、さらに掲載から1年を経ないレポートは、従来
通り、会員様のみ閲覧可能とさせていただきます。

閲覧が無料となりましたレポートのバックナンバーをこの機会にぜひご覧いただき、経済
や法務など、中国ビジネスの深奥部に精通するチェイス・チャイナならではの希少性や有
効性をお確かめください。


【Mizuno-CH中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者

Mizuno Consultancy Holdings Ltd.
WEBサイト http://www.mizuno-ch.com/

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