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保税区域の外貨管理

2007年10月1日より「保税監管区域外貨管理弁法(匯発[2007]52号)」が施行されています。
これは、旧保税区外貨管理弁法の改定だけでなく、物流園区、輸出加工区などの保税区域の外貨管理を統合したものですが、その影響・特徴は以下の通りです。

1.保税区域の企業の外貨購入制限撤廃

現在、保税区企業に適用されている「保税区外貨管理弁法(旧弁法)」では、特定の場合(配当等)を除いて、保税区企業の外貨購入は禁止されており、輸入貨物代金・非貿易項目の対外送金は、保有外貨からの支払が必要となります(旧弁法第24条)。
その制限が、今回の弁法で撤廃され、保税区域の企業でも、対外決済に際して銀行で外貨が購入できる事となりました(新弁法第九条・第十条)。

2.外貨口座開設制限の緩和

外貨口座の開設に当たっては、区外の外貨管理規定に基づいて手続を行う事となりました(新弁法第七条)。
因みに、区外での外貨経常口座の開設は、「経常項目の外貨管理政策を調整する事に関する通知(匯発[2006]19号)」により、外貨管理局の事前審査が廃止されており、開設申請書・営業許可証・企業認証番号証を銀行に提示し、直接手続を行う事が出来ます。
一方、保税区外貨管理弁法(旧弁法)では、外貨経常口座開設にあたり、外貨管理局の事前審査が求められている他、「企業登記地に原則1つ」という制限が付けられています。
これが撤廃されるものと判断されます。
尚、口座開設とは異なりますが、以前は、「保税区企業の場合は外貨の保有制限なし(全額保有可能)」、「一般区の場合は制限あり(一定水準を超える外貨は人民元への換金義務あり)」という管理状況となっていました。
これが、2007年8月13日より、一般区の企業に関しても、外貨保有制限が撤廃されましたので(匯発[2007]49号)、この意味でも、区外・区内の状況は同一となっています。

3.保税区域の外貨管理ルールの統合

新弁法は、保税区、輸出加工区、保税物流園区、保税港区、総合保税区、珠海・マカオクロスボーダー工業園区、保税物流中心(A型・B型)等の、税関封鎖監督地域全般に対して適用される事が明記されています。
更に、最も柔軟性があった物流園区の規定内容(例:区内で所有権が転換される貨物に関しては、国内区外企業間であっても外貨決済が可能)が織り込まれていますので、全体的に規制緩和に繋がっています。
この改定により、従来、外貨管理ルールが明確ではなかった、保税物流中心B型・総合保税区・クロスボーダー工業園区の活用に利便性が増すものと思われます。

4.保税区域が関連する商流の決済

保税区域が関連する商流に関する外貨決済の概要は、以下の通りです。

  1. 保税区域関連の外貨決済の原則(新弁法・第五条)
    • 保税区域と外国間の取引に関する決済は、外貨建て・外貨払いが義務付けられる。
    • 保税区域と区外一般区の取引に関しては、人民元建て人民元決済、外貨建て外貨決済が共に認められる(但し、通関を伴う取引の場合は外貨決済、伴わない取引は人民元決済が原則というのが原則)。
    • 保税区域内企業と区外一般区企業との非貿易取引決済(サービス対価の支払い)は、人民元建て人民元決済が義務付けられる。
    • 保税区域企業間の取引は、人民元決済・外貨決済が共に認められる。
  2. 保税区域企業と外国企業間の決済(新弁法・第九条)
    保税区域の企業が、外国企業が所有権を有する貨物を購入した場合は、外国から購入した場合、保税区域で購入した場合、区外一般区から購入した場合(注)の何れでも外貨送金が可能である事、また、決済用の外貨を銀行で購入できる事が規定されています。
    注:但し、中国一般区内の取引に関する外貨決済は、「外貨管理条例」により禁止されていますので、区外一般区から購入というのは、外国企業が所有権を有する来料加工貨物等を、保税区域の企業が保税区域搬入時に購入する様なケースが該当すると思われます。
  3. 外国企業と区外一般区企業間の輸出取引(中国⇒外国)に、保税区域の企業が関与する場合(新弁法・第九条)
    区外一般区の企業が輸出通関を行い、保税区域企業経由外国企業に輸出を行なう取引(区外一般区企業が一般区の港で輸出通関⇒保税区域企業がオフショアで購入⇒外国企業が購入という流れの取引)に関しては、保税区域の企業が外国企業から外貨回収後、同一通貨で区外一般区企業に外貨を支払う事ができます。
  4. 区外一般区企業の貨物が保税区域に搬入される場合(新弁法・第九条)
    保税区域の企業が区外一般区の企業から貨物を購入する場合(貨物が区外一般区から保税区域に搬入される場合)は、外貨決済を行う事となりますが、それに必要となる外貨は銀行で購入する事ができます。
  5. 保税区域企業間取引(新弁法・第十二条)
    保税区域企業間の取引は、外貨決済・人民元決済の双方が可能ですが、外貨決済を選択する場合は、保有外貨からの支払が義務付けられ、銀行での外貨購入は認められません。
  6. 区外一般区の企業が保税区域内の貨物を購入する場合(新弁法・第十三条)
    区外一般区の企業が、保税区域内の貨物を購入した場合(保税区域内で貨物の所有権が転換された場合)は、外貨決済が義務付けられます。
    この場合、元の所有者が「外国企業の場合(対外送金)」、「保税区域企業の場合(保税区域の企業に支払)」、「区外一般区企業からの場合(中国一般区域の企業に対して支払)」の全ての場合に関して外貨決済が可能です。

注:保税区域を活用したビジネスモデルと外貨送金の特徴は、「保税開発区・保税倉庫活用実践マニュアル(エヌ・エヌ・エー)」に詳細解説がありますのでご参照下さい。

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